目次
プロローグ 情けは人のためならず
第1章 スキャンダル候補が選挙で生き残る
第2章 じゃんけんゲーム
第3章 進化とは最適化のプロセス―自然選択ということ
第4章 「負けるが勝ち」の進化論
第5章 近親婚を避ける生物界のシステム
第6章 なぜ男の子の出生率が高いのか
エピローグ 汝の欲せざるところを他人に施すなかれ
著者等紹介
泰中啓一[タイナカケイイチ]
1949年愛知県生まれ。名古屋大学理学部物理学科卒業。1980年、茨城大学理学部助手。同大学助教授を経て、1996年から約1年間、米マサチューセッツ工科大学客員教授を務める。1998年から、静岡大学工学部システム工学科教授。理学博士。2006年から、同大学創造科学技術大学院教授を兼任担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
毒まんじゅう
5
生物における生き残り戦略の例から、利他主義の方が、長い目で見て得だという。精進しようと思いました。「毒性の強い病気は広まらない。これは、伝染病にかかった患者がすぐ死ぬと、その病気自体が広がらなくなるからである。」ウィルスも生き残り戦略をとっていたとしたら⁉2020/10/31
SAKU
2
弱肉強食の自然界でも、何でもかんでも利他的行動を生き残り戦略としている動物がいることに驚いた。 またジレンマゲームにおける徹底的利他の黄金律戦略を取り続ければ、短期的には裏切りに負けるが、その裏切り集団も結果的に葉先細りし、消滅する。なので黄金律がよいという考えも分かる。 現実は厳しいけど、こういう考え方を持ち続けることも大事だと思う。2016/08/12
AM
2
タイトル通りの一冊。自然科学やゲーム理論を引いて、長いスパンでは必ず利他的な行動が報われることを説いています。ただ、悲しいかな短いスパンでは決してこと通りではないことも証明されてしまっていますが…2013/10/31
本のブログ
2
虫を減らそうと殺虫剤を使います。しかし例えばグーチョキパーで食物連鎖が行われるとしましょう。その虫(パー)が減ることで、パーの餌となるグーが増えます。グーが増えたのでその餌のチョキは減ります。チョキが減るとその餌のパーが増えます。このように長期的に見ると殺虫剤をまかれたパーだけが増加するそうです。こういった矛盾が生物の世界だけでなく、様々な場面で起こるそうです。他にも自分以外に利益をもたらすことで長期的に自分の得になる行動も挙げられてます。どちらも短期的に損をしても長期的には利益を得られるというわけです。2011/10/13
てながあしなが
1
東京に行く道中で読了。どっかの本に推薦されていたので読んでみた。薄いのですぐ読み終われるが、内容は刺激的。動物の生存戦略について書かれている。例えば、第一章では、政治家のスキャンダル報道を例に、自分にとって不利な状況におかれたことで一層自分を有利にするパラドックスを紹介する。他にも、近親相姦を回避するための戦略や、働きアリの役割などを分かりやすく概説。文系の自分でも理解できるし、読んでいても苦にならない。テーマもはっきりしているし、タイトルもよい。隠れた良書だと思う。2017/10/04