内容説明
各国の国境が定められた背景には、「独立」「植民地化」「宗教や民族の対立」といったさまざまな問題、ドラマがある。国境の歴史は、すなわち民族の歴史であり、また戦争の歴史でもあった。現在も刻々と緊張が高まるカシミール国境地帯、東ティモール、パレスチナ、コソボ、そしてアフガン…。また、北方領土問題など、日本も国境をめぐっての争いと決して無縁ではありえない。各地で生起する紛争の過去・現在・未来を「国境」という視点をとおして、豊富な図解とともに平易に解説。世界の「火種」はいつもここにある。
目次
1章 様々な火種を抱える「アジア」の国境地図(イスラム原理主義のテロ活動が激化するか!?インド・パキスタンが領有権を争うカシミール国境;長引くアフガニスタン内戦の一因は国境を越えた民族分布にある ほか)
2章 複雑な民族問題に石油が絡む「中東」の国境地図(停戦後も問題が山積みのイラン~イラク国境;資源調達が深く関わっていたイラク~クウェート国境 ほか)
3章 独立と併合、分裂の歴史を繰り返す「ヨーロッパ」の国境地図(4つの国境を生んだ旧ユーゴ分裂とコソボの悲劇;ドイツ、フランス間で国境が揺れ動いた「アルザス・ロレーヌ」地帯 ほか)
4章 欧米列強の大国に翻弄された「アフリカ」の国境地図(無政府状態のソマリアに新たな国境ができるか?「ソマリランド共和国」;紙上の分割による国境が招いたナイジェリアの悲劇 ほか)
巻末 日本が抱える国境問題