内容説明
「いらだちに直面する仕事」。介護支援専門員が向き合う怒り、悲しみ、不安の正体。人生の最終章を見つめて。
目次
第1章 ケアマネの多難すぎる日常(感情労働者:「俺に、さ・わ・る・な!」;ケースワーカーの“使命”:「あなたと話す必要はない」 ほか)
第2章 「老い」と「死」の最前線(ゴミに埋もれたアルバム:アルコール依存症;息子には仕事がない:父親がいなくなったら… ほか)
第3章 人間関係はいつもヤッカイだ(もうすぐ定年:それでもまだ働きたくて;不機嫌なドクター:人生を懸けた交渉 ほか)
第4章 まだまだ辞められない(火の車:垂れ流される赤字;ベテランと甘ったれ:介護のプロの嘆き ほか)
著者等紹介
岸山真理子[キシヤママリコ]
1953年静岡県生まれ。大学卒業後、30代まで単純労働の現場を渡り歩く。38歳での出産を機に正規職員の仕事を求め、介護職員に。その後、47歳でケアマネジャーになり、以来21年にわたって介護現場の最前線で奮闘する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
188
『おむつ交換おばさんになったときから、一生やりたいと決めたのだ。私はこの仕事が好きだからやってきた。』とあとがきで綴られている。2000年11月に40歳を過ぎてケアマネの試験に合格した、現在68歳の作者の歩んだ歳月あれこれ。作者自身「私は優秀なケアマネジャーではない」と仰っている。確かにご自身のADHDによる環境や他者との関わりの難しさもあった。独居の我が母もケアマネさんのお世話になっている。私の知っている感じとはちょっと違いも感じるが、リアルな現実があった本作。88歳現役を目指すと言う。凄い!2022/03/03
きみたけ
147
最近ハマっている三五館シンシャの「○○日記」シリーズ。著者は38歳で介護職員、47歳でケアマネージャーになり、以来21年にわたって介護現場の最前線で奮闘してきた岸山真理子さん。「地域包括支援センター」におけるケアマネ業務、センターを辞めて次の職場に移る紆余曲折や、「居宅介護支援事務所」での業務などを記載。ハプニング連続の介護現場の大変さ、イジメやパワハラの話、それでもケアマネに誇りを持ってはたらく姿に頭がさがる思いです。2023/11/07
kou
119
ベテランのケアマネージャーが書いた職業ドキュメント本。こういった人達が、社会の見えない部分を支えていると思うと、頭が下がる想いだった。ただ医療福祉の仕事をしているからといって善人ばかりでは無い。人の悪意に、読んでいて頭がクラクラした。これがリアルなんだと思う。2021/10/17
kinkin
106
介護保険制度ができたのは、2000年頃。その時分は介護保険についての認識も内容も知らないし関心もなかっt。毎月保険料を払えば介護される側はそれで全部介護してもらえると思っていたくらいだ。現在、介護の問題は少子化とともに日本の大きな課題だ。この本は介護の認定や、雑雑とし泥臭い大変な仕事だ。介護士や看護師の人手不足。あらゆる問題が降りかかる。この先一体どうなるのか考えると恐ろしい。いつの間にか近所にも数カ所施設が出来ている。薄給では人手不足は解消しない、ある施設の一番偉い人はフェラーリに乗っているという・・・2024/11/25
ひさか
100
2021年7月三五館シンシャ刊。1953年生まれの岸山さんの現役ケアマネ日記。面白い。岸山さんは80歳過ぎても現役で活躍したいそうで、立派な覚悟です。見習えたらいいなと思います。2022/12/10