内容説明
「私の相撲道において、一片の悔いもございません」―きっぱりとそう語り、土俵を去った横綱稀勢の里。目先の勝利を求めて小細工に走ることなく、正々堂々と真っ向勝負を挑む姿が全国の相撲ファンの心をわしづかみにした。数々の試練を乗り越えての初優勝、横綱昇進、大ケガを負いながら奇跡の逆転Vなどドラマを土俵に刻んできた。現役時代は多くを語らず、黙々と土俵に上がり続けてきた横綱が、引退して荒磯親方となり、第二の人生に踏み出した今、これまでの思いと貫いてきた相撲道を、飾らない言葉で振り返る。
目次
第1章 少年時代
第2章 若き日々
第3章 大関を目指して
第4章 苦闘
第5章 大願成就
第6章 感謝
1 ~ 1件/全1件
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
181
TV桟敷からこの力士の取り組みはいつも楽しみにしていました。多くのファンの期待を一身に背負い、どこまでも自らの相撲道を探求し続けた寡黙な力士・稀勢の里に描いていたそのままの自伝でした。『もう一回、本当にもう一回でいいので、応援してくれてきた人たちに優勝した姿を見てもらいたかったというのが本音です。』あゝそうなんですね。それでも、貴方のその姿は胸を打ちます。何度も楽しませていただきました。荒磯親方となって柔らかい声で解説する貴方が新鮮に感じます。いつか親方が育てた力士が綱を張るのを楽しみにしています。2019/12/01
旅するランナー
145
土俵の外は千尋の谷だと思え! 相撲は土俵際がいちばん面白いんだ! 俵からが相撲なんだ! 鳴門親方からの厳しい教えを守り続け、抑制の美学を貫き通した男の生き様。負けず嫌いの若者が、一歩一歩成長して、和の成功法則(戦っている者同士、皆で成功していけばいいのだという考え方)にまで至る地道さ。あの長く苦しい力士人生の裏話、その時々の本人の気持ち、力士同士の心配りが、飾らぬ言葉で語られて、大相撲ファンは心打たれます。ごっつぁんです!2019/11/11
佐島楓
60
本文を読むとけっこう場所中にケガしてらっしゃったようだけど、たぶんそれを表に出さないだけの強さがあったから、私も含め皆気づかなかったのだろうなぁ。その負けん気の強さが悪いほうに作用してしまったのか。初優勝のときも引退のときも泣きました。私の中でいつまでも貴方は横綱です。2019/12/12
したっぱ店員
42
引退相撲の記念品。語り下ろしかなあ。素直な文章に大きな字ですぐに読めてしまう。人生の節目節目でいい人物との出会いがあり、それが人間・稀勢の里の土台となったのだと納得できた。荒磯親方となってもかわらず応援します。2019/10/15
柔
27
待望の日本人横綱となった稀勢の里の相撲人生を振り返る。とんとん拍子に駆け上がった若手時代。大関から横綱に上がるまでの苦悩、優勝と引き換えに失った必殺技。親方が亡くなった際には怒ってくれる人がいなくなった。自分で律しなければと強く感じたという。私は素人だが、優秀な親方になる素質を感じた。一生懸命やること、逃げないこと、感謝の気持ちを持つこと。どんな世界にも通用する成功者の共通点!2020/09/30
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