その１秒をけずりだせ―駅伝・東洋大スピリッツ

酒井 俊幸【著】

ベースボール・マガジン社（2014/12発売）

• サイズ B6判／ページ数 205p／高さ 19cm
• 商品コード 9784583107585
• NDC分類 782.3
• Cコード C0075

内容説明

２０１４年正月の箱根駅伝で、東洋大学を監督就任以来３度目の優勝に導いた著者が、初めて記す勝負哲学。１１年、早稲田大学にわずか２１秒差で敗れた悔しさを原点に、築いた信念、意識、戦略とは。駅伝ファンはもちろん、組織を作り、人材を育成するすべての人に届けたい一冊。

目次

第１章　エースに頼るのでなくエースを生かす―２０１３年度シーズン
第２章　三流選手が指導者に
第３章　結束―“チーム東洋”の組織力
第４章　チーム力を底上げする―２００９・２０１０年度シーズン
第５章　敗戦に学ぶ―２０１１～２０１４年度シーズン
第６章　挑戦―その先の世界へ

著者等紹介

酒井俊幸［サカイトシユキ］
１９７６年５月２３日、福島県生まれ。学法石川高校（福島）‐東洋大学経済学部卒。大学時代には箱根駅伝に３回出場。卒業後はコニカ（現コニカミノルタ）に入社し、全日本実業団駅伝３連覇に貢献した。２００５年に母校の学法石川高校に赴任し陸上部顧問を務めたのち、０９年４月より東洋大学陸上競技部長距離部門監督に就任。箱根駅伝では１０年、１２年、１４年と優勝を果たすなど、チームを常勝へと導いている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ユウユウ]

エピソード満載で面白かった。陸上競技だけではなく、生活や選手それぞれ自体に向き合う姿勢に改めて感じ入った。来年の1月2日3日が今から待ち遠しい。

2016/03/14

[かいゆう]

私が箱根駅伝に魅了されたのは、ちょうど酒井監督が就任されて初めての箱根にあたる。柏原選手が力強い攻めの走りは、とにかく凄かった。自身が大学時代強い選手でなかった事、４年で箱根に出られなかった悔しさ、実業団に入ってからの自分の物足りなさが胸にあるから、選手の環境面、生活規律、食事、故障時のケア、心理面など様々な面から指導され、常に4位以上という結果に繋がっているのだなと思う。大学時代だけでなく、その後の世界を見据えているという部分が嬉しかった。設楽兄弟、服部兄弟など、これからの活躍が楽しみでなりません。

2016/04/08

[はれひめ]

東洋大選手は一見地味だが素直なイメージ。酒井監督が高校時代の戦歴に捉われず、東洋大の攻めの走りを理解実践出来る子をスカウトしてくる所以だと納得。常勝チームの監督の奢りが全くなく選手をリスペクトしている一冊。東洋大にはキャプテンが箱根を走れないジンクスがあるのは知らなかった。愛情と同情は別だとしながらも選手起用のくだりは涙もの。柏原、設楽兄弟ときて、次は服部兄弟や口町が上級生になった箱根駅伝も読みたい。東京五輪のマラソンに期待を込めて。挿し写真が素晴らしく良いので、図書館本読了後の自腹購入決定。

2016/02/09

[panashe]

東洋大学陸上部　酒井監督の本。「競技力の向上よりも人間の力身（りきみ）の充実のほうが重要である」という。「学部の授業も出て、教職もとって、更に陸上も頑張る」のが東洋スタイルだそうだ。5時からの朝練を考えれば自ずと就寝時間も考え深酒も出来ない、電車通学はｻﾗﾘｰﾏﾝの通勤も体感でき忍耐力も養われる。実業団に進む選手は、社業後に練習する事が苦にならないという。指導の仕方、考え方、選手との接し方、選手達が自ら考え実践するという導き方。ｽﾎﾟｰﾂだけではなく子育てと同じ、とても考えさせられた。

2015/10/22

[のぶのぶ]

2015年覇者、青山学院大監督に続き、東洋大監督、酒井俊幸さんの本。たった21秒、早稲田大学に負けたことをきっかけに一秒を削り出すことを合言葉に2014年の優勝へ。箱根駅伝自体の記録が大幅に上がり、運だけでは勝てなくなっているそうだ。勝つためには必然だそうです。監督自身、大学4年時、一番のタイムを持っていてキャプテンだったが、箱根に出られなかった経験を生かし、選手起用、健康管理、ピークをもっていき方などを配慮して指導していることが分かった。箱根から世界へ羽ばたける選手を育てようとしていることも分かった。

2015/12/20