内容説明
「ワタシト婚約スルト結納金ガ米軍カラ5千万円出マス。結婚スルト英国王室カラ5億円ノ結納金ガ支給サレマス」。破天荒な口上とパイロットの扮装で次々と女性を騙し、稀代の詐欺師と謳われた、クヒオ大佐。58歳になってもなお懲りず、新たな獲物に標的を定める、その本性とは―。女たちは彼のどこに惹かれたのか―。
目次
奇遇―結婚詐欺師クヒオとの運命的再会
コンタクト―クヒオ大佐の新たな獲物
クヒオの手口―六百五十万円騙し取られた元銀座ホステス
腐れ縁―クヒオを擁護する女
愚かな女―告白
二つの顔―ジョナ・エリザベス・クヒオ大佐誕生の背景
ボクは米空軍のパイロット―クヒオ大佐の華麗なる口上
最後の賭け―郷里・北海道への回帰旅行
原風景―幼なじみとの再会
選択肢―本当は被害者に弁償したい
新たな女―空白の三ヶ月に大佐の悪癖ふたたび
危機―クヒオとの再度の接触
尾行―第三の女の存在
転機―女への弁償
再出発―クヒオ大佐から竹内武男
著者等紹介
吉田和正[ヨシダカズマサ]
作家。1944年広島県生まれ。日本大学芸術学部中退後、映画助監督、週刊誌記者を経て、作家活動をはじめる。1988年『魔がさす―ビジネスマンの落とし穴』(光文社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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史
5
クヒオ大佐ではなくて、クヒオ大佐を追う人間の話かな。そこには華々しいものは一切なく、犯罪という一面のみである。それはサスペンス的なものであろうか。今も男女問わずロマンス詐欺が蔓延っている中で、20年近く前にこうしたリアリティを描いているのはなかなか先見の明かな。2024/04/30
バーベナ
4
実在の結婚詐欺師ジョナ・エリザベス・クヒオ(名前は各種あり)を元にした、事実と虚構が入り混じった小説。彼が幼馴染の前で、エリート軍人の自分というバレバレな嘘を一生懸命に語る姿を、恥ずかしく思いながらも、止められなかった内縁の妻。惚れた男性に憐憫の情をもってしまったら・・・。嘘だとわかっていても騙され続けちゃうわ(._.)2011/06/14
chitose511
2
詐欺を働く人間はまず自分を騙してんだなあ…しかし物語のような展開!と思って読み終えたら、後書きでこの話はフィクションですってオチだった。いくらなんでも酷いよ!2012/07/28
ちびっこ。
1
こんなんで騙されるんだ!ってことと意外と最近の出来事だったことにビックリ!!でも、フィクションとは。。。ノンフィクションのも読みたい!!あと、2011/09/24
AZ
1
ノンフィクションだと思って読み始めたら、「???」で、後書きを読んでやっとフィクションとして読むべき作品だったことを知りました。フィクションならフィクションでもう少しやりようはあったのでは?小説なら小説らしく、事実なら小説より奇なるものを読みたい。2010/07/09
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- 和書
- 震災画報 ちくま学芸文庫