出版社内容情報
幕末から現代まで、多彩で豊かな「美しい本」をたっぷり紹介しつつ、ブックデザインの未来を探る。文=横尾忠則、杉浦康平ほか
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
37
幕末から現代までの百五十年、豊かな装丁文化が花開いた日本の多彩な「美しい本」をたっぷり紹介しつつブックデザインの未来を探る一冊。横尾忠則の巻頭インタビューから石川九楊さんらのエッセイ、日本近代装丁史をひもとく百冊として和装から様相への書姿の変遷、大正期のアヴァンギャルド芸術、プロレタリア文学に至る装釘、近代の名作と話題作、画家・版画家の装幀、詩人・小説家・文化人・編集者による装幀の系譜、現代ブックデザインとタイポグラフィなど、時代性も色濃く反映されているように感じる装丁はとても印象的で興味深く読めました。2023/09/07
Toshi
24
タイトルどおり日本の近代装幀史を彩る本を紹介。藤島武二による与謝野晶子の「みだれ髪」から、平野甲賀による沢木耕太郎の「深夜特急」まで、こうして見ると本そのものもアートであり、やはり電子書籍ではなく印刷物として手元に置きたくなります。 さて先日ふと立ち寄った某百貨店で開催されていた「棟方志功作品展」。版画や自筆画が販売されていたのですが、本書でも紹介されている谷崎潤一郎の「鍵」の挿絵として作成された版画全58点。棟方自筆の箱入りで8,800万円となっておりました。2025/09/13
阿部義彦
16
出たばかりの最新刊です。一冊丸ごと本尽くし、大満足。巻頭本に纏わるエッセイでは、細野晴臣フリークの漫画家、高硏さんがサブカル漫画との出会いは古屋兎丸の『ライチ光クラブ』だったと告白、私も大好きな漫画家です。次は横尾忠則さんのインタビューでアトリエで装丁に関する思い出を。日本近代装丁史を紐解く百冊、著名人による『私の愛蔵本』巨匠達(原弘、田中光一、仲條正義、和田誠、平野甲賀、菊地信義)のブックデザイン。そして諸玉の和本コレクション。小説家の自装による本の系譜(澁澤龍彦、村上龍等)は諸にツボでした。永久保存。2023/07/15
遠い日
8
わたしが学生の頃までは、ソフトカバーの本なんてなかった。小説は高価で紙の函入り、本体は布貼りのものも多く上品でした。上下2段組、3段組の本も結構あって、大長編がごろごろ。そんなことを思い出しつつ、日本の近現代の装幀史を見ていくのは楽しかった。本は文化、時代そのもの。2023/08/15
なおた
4
本書の「日本近現代装幀史をひもとく100冊」というトピックに関しては、わたしは神田で古書店勤務だった過去があるので、結構、馴染み深いものがあった。「巨匠たちのブックデザイン」というトピックは、初めて知った人名もあり、いかに自分が「ブックデザイン」の領域に疎いかが再認識できる1冊となりました。2023/09/04




