感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるき
19
年表を読んで色々驚いた。繊細な絵柄ですが、激動の時代を戦って生きた、ある意味女傑でした。身を削るように生み出された作品の背景に息をのみます。2021/09/17
兵士O
16
僕は今でこそ俗な人間ですが、二十代前半の時は、純な子供の眼差しを描こうとか、北朝鮮やミャンマーで、その現場で撮ってきた現地の子供の写真に心打たれて模写したりとか、理想を持ったことが趣味の範囲内のことでですが、ありました。今、四十半ばになって何となく借りたこの本の中には、その理想を思い起こさせるいわさきちひろさんの絵がありました。アンデルセンの「マッチ売りの少女」の切ない絵や、何よりも原爆で、死んだ我が子を抱きかかえる母親の絵など、本当に崇高な理想を持っていないと描けない絵ばかりです。ちひろさん大好きです。2018/10/26
えがお
6
いわさきちひろ美術館で購入。息子が小さい頃繰り返し読んで、いまだに空で言える本もあるが、絵心ないせいか、絵よりは彼女の人となりや歴史に心をひかれるので、読みごたえあった2015/08/09
shikinokeyaki
5
子供の頃から雑誌や絵本、物語の挿絵などで常に目にしていた「いわさきちひろ」さん。絵が好きという以外には共産党?ぐらいしか知らなかったのですが、すごい人だったんですね。別冊太陽は昔からたまに手にしていますが、端から端まで文章をきっちり読んだのはこれが初めてです。それにしても上手いなぁ、ちひろさんの絵は素敵だなぁ。あと、お洋服もとっても個性豊かで素敵。2018/08/27
みけのすずね
5
いわさきちひろさんの足跡や周囲の人たちからの文章などが一緒になった大版の画集。「自分のやりかけた仕事を一歩ずつたゆみなく進んでいくのが、不思議なことだけれど、この世の生き甲斐なのです」「おとなというものはどんなに苦労が多くても、自分の方から人を愛していける人間になることなのだと思います」姪っ子さんが仰る通り、優しいけれどしっかりしたものをもっている人なんだ。アンデルセン童話の挿し絵は「かなり複雑なカゲ」が描かれてると知りじっくり見入る。「赤い毛糸帽の女の子」には、思わず微笑み返しちゃった。2013/05/26