出版社内容情報
生誕150年記念。
「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香り高い珠玉のような絵」
を求め、描き続けた上村松園。
女性が自らの信じる道を進むことに様々な障壁があった当時にあって、
女であること、女性を描くことに自覚的だった松園の生涯と作品を通して、
松園の遺したものを辿る。
【目次】
◎巻頭言 いま、上村松園を追うこと 松伯美術館
〈修業時代〉
1.誕生と画学校入学まで(1875-87/0-12歳)
2. 三人の師(1888-1902/13-27歳)
〈独立と模索〉
3.展開と文展への出品(1903-14/28-39歳)
4.スランプと模索(1915-26/40-51歳)
〈確立と円熟〉
5.確信の歩み(1927-33/52-58歳)
6.母への追慕と円熟(1934-40/59-65歳)
7.戦時下と晩年(1941-49/66-74歳)
◎コラム
「上村松園」を育んだ三人の師
縮図帖――「何物にもかえることの出来ない大切な宝」 松伯美術館
松園の画題1 古典と江戸風俗 増渕鏡子
松園の画題2 松園の描く着物 青山訓子
松園の画題3 松園と謡曲 中村麗子
母・仲子のこと 松伯美術館
「古典」としての女性像 山田 諭
松篁が見た母・松園 松伯美術館
◎トピック
松園のこだわり1 時代考証 増渕鏡子
松園のこだわり2 青眉のまなざし──《母子》に見る美意識 青山訓子
松園のこだわり3 表装──より作品を味わうために
◎松園愛用の道具たち
◎松園を訪ねて古都・奈良へ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
111
「凛として立つ」という副題が、全てを言い表している。作品だけでなく、「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである」などの松園さんの数々の言葉も、更に、本書に数多く掲載されている下絵さえも、高い格調に満ちて凛としている。女性画家として、未婚の母として、多くの苦難とともに歩んだ人生の中で、この人が、気を緩めたり、快楽に耽ったりしたことはあったのだろうか。松園さんの絵を前にすると、自堕落な自分が恥ずかしくなる。「芸術を以て人を済度する」と松園さんは言う。2025/07/29
Tomonori Yonezawa
6
県立Lib▼別冊太陽 日本のこころ323号▼松園は「焔」と「序の舞」が私の視界によく入ってくる。他の画も見てはいるんだろうが認識してないので、ザッと網羅しておこうと借り。▼こんな画も描いているのねと思う反面。何かで見たなぁと思う画が多し。蚊帳に美人の構図「蛍」と「花がたみ」「鴛鴦髷」が好きに思えました。▼解説というか、松園がその画を描いた頃に何を言っていたかも載ってるので結構面白い本でした。2025/10/13
果てなき冒険たまこ
6
先日、恵比寿の山種美術館で松園展を観てきたので復習の意味も含めて。結果、やはり印刷は本物とは全く違うものだと再確認してしまった。浮世絵は比較的版が小さいからうぉー!と思うほどの違いがわからなかったりするけど、松園の絵は基本が軸装なので立体感だったり柔らかさの表現だったりがストレートに感じられて文字通りに放心してしまった。周りでちょこちょこしてるおばちゃんたちがいなければいくらでも眺めてられたかも。今までそんなに感じたことなかったけどやっぱり実物を見なくちゃ始まらないね。2025/06/10
kaz
2
硬質の絵のインパクトに押されるが、自分のテイストかと言えば、そうでもないかもしれない。図書館の内容紹介は『「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵」を求め、描き続けた上村松園。女であること、女性を描くことに自覚的だった松園の生涯と作品を通して、松園の遺したものを辿る』。 2025/10/09
ブネ
2
【MEMO】 生誕150年記念。 「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香り高い珠玉のような絵」 を求め、描き続けた上村松園。 女性が自らの信じる道を進むことに様々な障壁があった当時にあって、 女であること、女性を描くことに自覚的だった松園の生涯と作品を通して、 松園の遺したものを辿る。2025/07/01




