出版社内容情報
土井善晴が提唱する「一汁一菜」が生まれる現場であるアトリエ「おいしいもの研究所」を公開、若い世代に向けた和食文化の講義、料理といのちをめぐる対話などを通して、改革者の姿に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
66
自分の中では、土井善晴さんは哲学者でもある。土井さんの取り組まれている一汁一菜は、生き方・ものの考え方・価値観であり、まさに生きる哲学だと思う。中でも、中村桂子さんとの対話が、心に沁み込んでくる。それと、料理をすること、手を動かすことの意味。それが、今の世の中の在り様にも結び付いていると思う。最後のほうに掲載されている料理哲学を形作った書籍が興味深いし、何冊も読んだ本があって嬉しくなった。2022/06/20
たまきら
45
ずっとお父さんのレシピ集に親しんでいたので、正直息子さんかあ…ぐらいの感覚しかありませんでした。現在のシンプルで、家庭料理への回帰…といった感じのある料理は好きです。彼がどう料理と向き合ってきたかが良くわかる内容になっていて、さすが太陽だな、と。家族で、好きな人で食べる、そこが大切なんだよね。2023/03/13
カタコッタ
23
TVに出る料理研究家は皆大好きだけれと、特に土井善晴先生は特別です。(辰巳芳子先生も大好きです。)磨かれた厨房から作り出される料理に外れはないのがわかる。上品でゆっくりとした関西弁での的確で有りながらユーモアのある喋りもまた魅力的。この本は土井善晴先生の私の知らない部分を引き出してくれた本です。ブックリスト、参考にさせて頂きたい。2022/07/15
なおみ703♪
15
ご飯や味噌汁は「小さな大自然」である。料理し食事をすることは、自然と直接的に交わることに他ならない。私の中にミクロコスモスが入ってくることで、マクロコスモスとつながる。その連続性を感受することで安心感が生まれる。「どんな食材をつかおうか考えることは、すでに台所の外に飛び出して、社会や大自然を思っていることにつながります」2023/02/19
joyjoy
15
そうだ!ぬか漬け、再開!と思い立って、大根を漬けました。ぬか床の感触、におい、手を動かす喜び。なんだかワクワクしました。料理って、命を扱っているんだなって、あらためて感じました。 中村桂子氏との対談も楽しく読みました。「人間が手を使ってお料理することがどれほど大切なことか。手は心とつながっているんです」。 そして「土井善晴の読書」リスト!メモ書きや付箋だらけの本の写真、憧れます。考える、手を動かす、両方を楽しめた一日でした。感謝です。2023/01/23