出版社内容情報
素朴な味わいが魅力的な「みちのく=東北」の仏像。飛鳥から江戸時代まで、中尊寺や立石寺などの古刹から地元のひとびとに大切にされているものまで約300点の仏像を掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizimasu
7
国立博物館での展示でみちのくの仏像を見るにつれいわゆる為政者の発願とは別の文化の中で醸成されたみちのくの仏の世界観にものすごく、衝撃を受けました。そうしたみちのく仏をほぼ網羅した内容がこの太陽の別冊。さh氏んもきれいだし、秋田の小沼神社に聖観音菩薩立像には頭の部分にめんこい雪の精のような顔も乗っていたりしてこれはこれはなんとも愛らしい。また地元の大工さんが作ったような素朴仏もある。技法にも神道との習合が違和感なく成立していて、ついつい東北の素朴さの世界に浸る。それは貧しさからくるのかもしれないがそこがいい2015/02/16
ラグエル
5
無骨さを味わえ。でなければ神仏習合とか神仏分離について考えよ。または十一面観音の多さについて意見を聞きたい。2012/12/10
sigismund
3
みちのくの文化に裏打ちされた仏さまの数々は、自然の厳しさと理不尽さ、慈悲の念をダイレクトに我々に突き付ける。自然を敬いながらも自然から搾取し、殺生をせざるを得なかった猟師・農民たちにとって、山神や鉈彫仏の慈悲の御顔は大きな救いだったのかもしれない。かの秀衡公が平泉の無量光院の壁面に自らが狩猟している場面を描かせ懺悔したという故事が思い出される。そうした直截な祈りの積み重ねからか、みちのくの仏さまは京都や奈良の仏さまと違ってナマの気迫に満ち満ちている。合掌。2014/02/12
kaizen@名古屋de朝活読書会
3
別冊太陽の写真はいつもいい。 いろいろな仏像の写真がはっきり、くっきりしている。 みちのくの仏像の違いがよくは分からなかったが、 「山神立像」には衝撃を受けた。 こんなに素朴な像があったとは。 ぜひ直接拝まさせていただきたい。2013/01/10
ebi_m
1
「みちのく いとしい仏たち」展の流れで。非常に情報量が多くて、なんとなく時代順に並んで、地域ごとの解説が入ってくる感じなのだけど、平泉にたどり着くまでが長かった。一本の木から仏を削り出すというところに意図を感じさせるような仏像。「みちのく いとしい仏たち」的な、主に江戸時代の民間仏等々は後ろのほうに載っている。同じ山神立像を扱っていても、解説が違っていてなるほどと思った。遠野の民間仏が味わい深かった2024/02/26