感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
umeko
18
さすが、写真が美しい。運慶とその周辺の仏師達から時代背景まで幅広く書かれ、この時代や仏師の世界を俯瞰することができた。X線写真での、納入品の様子が興味深い。2015/10/10
re;
15
戦禍、飢餓、疫病、天災。災いが一陣の風のように人の命をさらっていく。生は、花幻の如く儚く、明日をも知れない。不安と猜疑心が蔓延る地平線に、人々が只ひたすらに唱えたのは、祈り。目に見えないものを信仰できない私たちは、仏像という偶像にその祈りを委ねた。鎌倉時代、流星のごとく現れ、一世を風靡し、そして春霞のように消えていった運慶という天才の軌跡。彼の作品は、その重々しい重量感とは裏腹に軽やかに空間を支配し、常世を超えていく。運慶の推し活<仏像>って言ったらキレられそうだけど、彼の創作活動にみんな癒されている。2025/07/24
Kikuyo
15
東京国立博物館で開催されていた運慶展を思い出しました。見事な仏像たち。写真も美しく、表紙の「円成寺 大日如来坐像」のお姿にはひきつけられますね。無著・世親のアップはお顔の細部までじっくり堪能。2022/02/20
栗羊羹
12
大河ドラマに運慶が出たので、願成就院の阿弥陀如来坐像から。ドラマのなかで、運慶は母に似ている…って言ってた。確かにふっくら柔らかいお顔立ちは、すべての人の母を連想するかも知れない。東大寺南大門の金剛力士像…今度行ったら、じっくり拝見して来よう…2022/06/19
Kazuo
9
運慶展の予習。当時は(今も)、仏師たちは発注者(寺院等)から受ける、予算(=材料代やスタッフ人数)や、製作期間等の制約のなかで、仏像製作を依頼され「職人=賃金をもらって」として仏像を製作したのである。寺院側は、檀家の評判を気にしたことは間違いない。運慶の仏像は「芸術」概念の存在しない当時の人々が、日々拝むには「芸術的」すぎたのではなかったのか?しかし、現在まで名品として残っているということは、こんなに「とんがった」仏像を当時の人々も「この仏様は有難い」と思ったのであろうか?無著・世親立像等早く観てみたい。2017/10/01
-
- 和書
- 女子のためのカラダ事典