出版社内容情報
安藤 優一郎[アンドウ ユウイチロウ]
著・文・その他
内容説明
赤松小三郎は、上田藩の下級藩士として生まれながら、江戸遊学を経験して、数学や蘭学、兵学などの学問を身につけ、いち早く英語とイギリス式兵制の重要性をみいだす。幕末の混乱のなか、幕府宛建白書の提出、京都での開塾など、藩を超えた活動を開始するが、大政奉還を前に、「幕奸」とみなされ、薩摩藩士によって殺害される。洋学者・兵学者でありながら、議会政治の重要性を説いた、知られざる時代の先覚者の生涯を追う!
目次
プロローグ―幕末史から消されていた憂国の志士
第1章 上田藩に生まれる―学問に励む日々
第2章 勝海舟との出会い―長崎での日々
第3章 英式兵制と横浜居留地―内戦の勃発
第4章 幕末政局の舞台・上方に向かう―薩摩藩の接近
第5章 憂国の志士として奔走する―雄藩の合従連衡
第6章 非業の死―小三郎が夢見た新国家
エピローグ―赤松小三郎の遺産
著者等紹介
安藤優一郎[アンドウユウイチロウ]
1965年千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業、同大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。文学博士。JR東日本「大人の休日倶楽部」など生涯学習講座の講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ようはん
18
上田藩の下級武士の出自ながらも勝海舟らに学んで英語や兵学の才能を開花させ、英国の軍事書を翻訳して英国軍制を薩摩藩等に指導し、戊辰戦争はもとより東郷平八郎ら後に日露戦争で活躍する軍人となる若者にも影響を与えた赤松小三郎の功績は大きい。議会制と普通選挙制も提言する等開明的であったが、恩がある筈の薩摩藩からは幕府のスパイを疑われて暗殺される最期に。老中クラスを輩出したとはいえ、譜代の小藩の出自故に行動を制限せざるを得ない面があったのが悲劇だったのだろうか。2025/04/07
笛吹岬
0
幕末政局のなかの赤松。エピローグが要約になっている。2022/11/05