出版社内容情報
「大阪都構想」を掲げて誕生した地域政党「維新」。創始者・橋下徹の発信力で党勢を拡大、国政にも進出し、いまや政界再編の鍵を握る政党の正体とは。その軌跡をたどる。
内容説明
「大阪都構想」を掲げて地域政党からスタートし、国政進出後は浮沈を繰り返しながら、十年以上も生命力を維持してきた「日本維新の会」。地元で圧倒的支持を集める一方、典型的なポピュリズム、立ち位置が不透明な「ゆ党」といった批判の声も少なくない「維新政治」の実体とはいかなるものなのか。地域発、異色政党のこれまでを辿りながら、「野党第一党」の座を狙う維新政治の行方を探る。
目次
第1章 「維新」発足前夜
第2章 地域政党の旗揚げ
第3章 「大阪都構想」誕生と国政進出
第4章 橋下退場
第5章 「冬の時代」の迷走
第6章 万博誘致の舞台裏
第7章 都構想敗戦
第8章 インタビュー
著者等紹介
塩田潮[シオタウシオ]
1946年高知県吾川郡いの町生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。雑誌編集者、記者などを経てノンフィクション作家に。『霞が関が震えた日』(講談社文庫)で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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岡本
77
今までの維新の歩みを纏めた一冊。発足から離合集散を繰り返して最近ではお馴染みになってきた改革派政党とのイメージだったが、今までの経緯や現在のメンバーの振り返り等興味深い内容が多い。政権交代が成されるかはともかく、批判一辺倒の野党よりは与党と異なる思想で提案を行う野党がいるのはいいと思う。但しインタビューでも度々触れられた人材不足は否めない。代表以外だと他党からの移籍者や首長経験者しか聞き馴染みがなく維新出身とイメージつくのは吉村氏と馬場氏くらい。第三極として勢力を伸ばせるのか今後の党勢が気になる所。2023/03/16
Y2K☮
32
自民党の尻を叩き、応援すべき点は応援し、批判すべきは批判する。不甲斐ないなら取って代わる。そういう是々非々の野党は絶対に必要。先の衆議院選挙で他の野党とつるまなかったのはいい判断。過去に太陽の党や結いの党と組んで裏目に出た反省が活きた。フィクサー浅田均と引退してなお影響力を持つカリスマ橋下徹。彼らあっての維新だが、彼らの色を消せる人間が出て来ないと先はない。インバウンド頼み&東京五輪の二番煎じな万博なんて発想は時代遅れだと看破できる誰かが。ベーシックインカムと消費税減税、憲法裁判所はぜひ実現させて欲しい。2021/11/22
ナン
11
先の衆議院選挙で躍進した日本維新の会。ニュースで見る断片的な情報しか知らず、改めて理念や軌跡を知りたかったので読んでみた。感想としては、読む前の目的は達成できたので、維新の会のことを勉強したい人にはオススメできる。個人的には、同党の主張には賛成できない点も多いが、自民党でも野党連合でもない選択肢はあった方がよいし、東京一極集中の是正の主張には共感できる。また、歴史が浅い同党が、既存政党に立ち向かい躍進していくのは物語としてワクワク感はある。読んでみて改めて、今後の動きが気になる政党になった。2021/12/05
かんがく
10
維新の会の10年の歩みを簡潔にまとめた一冊。学術的な分析は少ない一方で、当事者の発言が多いのでルポ的に楽しめる。通しで党の動きをみることで、安倍・菅との繋がりの強さを改めて感じた。2022/08/05
Michio Arai
9
府知事候補選定を巡り府議連と党中央の対立から新会派形成から橋下を担ぎ知事選を闘い、維新オリジナルではない大都市構想の実現のための地域政党設立までインタビューを交え展開する。維新の政策は現参議院議員の浅田の力が大きかったことを再認識。都構想推進のため自民大阪市議団との合流も当初試みたことや、国政進出のためみんなの党や石原新党との合流のごたごたなど。二度の住民投票の敗因の自己分析は的外れだ。4つの区割りの予算収支の根拠を同規模の中核市とし市民を欺こうとした大嘘を大阪市議団に論破され騙しきれなかったからだ。2022/03/13