出版社内容情報
現代においてもよく知られるピラティスや、クナイプの水治療法といった自然療法について、19世紀ドイツで広がっていく様子や、ナチス政権下の「新医学」との関わりを紹介する。
内容説明
人間が本来有する自己治癒力の覚醒による治療が、医学界では「非科学的」とされる自然療法。だが、クナイプ、ケロッグ、ミューズリ、グラハムなど、日本でも知られる商品や食材も自然療法に基づくのだ。十九世紀後半に拡大した自然療法をめぐる歴史と文化、著名な自然療法医たちの治療法とエピソードを紹介する。適切な運動と適切な生活様式の実践による、現代ドイツで今もつづく正しい治療法を知る。
目次
第1章 自然療法成立の背景と先駆者たち
第2章 自然療法の基本としての水治療法
第3章 菜食主義と断食療法
第4章 日光浴と裸体文化
第5章 自然療法における運動と体操
第6章 自然療法サナトリウム
第7章 ナチス時代の自然療法
著者等紹介
森貴史[モリタカシ]
1970年、大阪府生まれ。Dr.phil.(ベルリン・フンボルト大学)。現在、関西大学文学部(文化共生学専修)教授。専門はドイツ文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
57
あの入浴剤のクナイプさんは2億5千万年前の海水からバスソルトを作っておられるヨーロッパ唯一の会社らしいです!早速買いたい所ですが、今はシャワーなので💦ドイツは近代医学も発達していますが、ホメオパシー等もあって素晴らしいです。マクドナルドにも大豆ミートバーガーがあるらしくて、日本も見習ってほしいです。ベジタリアン大国のドイツ\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/2021/08/21
たまきら
37
夫チョイス。最近私がナチと菜食主義、クナイプ、裸体文化などの様々な本を読んでいたので、それらをわかりやすくまとめてあるこの本を取り寄せた模様。ああ、「踊る裸体生活」の著者が書いているんですね。「正しい(食・運動など)生活は健康につながる」という日本人や中国人、インド人らが共有する(とよくパターン化されている)精神をヨーロッパ(ドイツ)のシステム的な方法で見る感じで興味深いです。西式(粗食)、温泉、乾布摩擦。うん、キーワードはどこも近いから面白いな。2023/07/19
みゆき
6
コロナが落ち着いたらクナイプ氏の名を冠したホテルに泊まって自然療法を経験してみたい。2021/11/24
Go Extreme
2
自然療法の発想 学校医学との対立 自然に即した生活様式 自然療法成立の背景と先駆者:ホメオパシーと減感作療法 ヒポクラテス・パラケルスス・フーフェラント 自然療法の基本としての水治療法:エルテル クナイプ 菜食主義と断食療法:生きかた デオドール・ハーン 食餌療法 ヨハン・シュロート ワーグナー 日光浴と裸体文化:太陽の治癒力 日光浴と空気浴 日光浴の効果→裸体文化 アルコール中毒者治療施設 自然療法における運動と体操:スウェーデン体操 自然療法サナトリウム:ビジネスとしての自然療法 ナチス時代の自然療法2021/04/25
Asakura Arata
2
学校医学という言葉は的を得ていて良いな。しかし、自然療法医でも、かなり太っていたり、突然死してしまったりする人がいるのは「医者の不養生」で学校医学に携わる人と大差ないな。ビスマルクの治療に当たった自然療法医が、ビスマルクと一緒に写っている写真が載っているのだが、体重がビスマルクの2倍はありそうなのは笑った。2021/04/14