出版社内容情報
2020年のコロナ禍中で「日本のPCR検査体制は“恥”」と発言し、検査体制の充実化に向けて大学病院を検査機関として加えることを主張した島田眞路氏。なぜ大学病院での検査が進まなかったのか。その背景には大学病院の疲弊、そして文部科学省と厚生労働省のつば競り合いがあった。
医療をめぐる中央省庁の対立、それに翻弄される地方医療という構図は今に始まったことではない。
そこで突然襲ってきた2020年の新型コロナウイルス―。医療への関心が高まっているなか、私たち自身が医療現場の課題に真摯に向き合わねばならないときを迎えているのではなかろうか!
内容説明
二〇二〇年、世界中に蔓延した新型コロナウイルスは医療界全体をかつてない危機に陥れると同時に、日本の医療が抱えてきた課題をあぶり出した。それは中央省庁間の確執に端を発すると言っても過言ではない。地方医療と、それを支える国立大学を救うべく、激闘を繰り広げてきた山梨大学学長の姿がここにある!「なぜ日本はPCR検査数が少ないのか」その答えは日本の医療界が抱える病巣にあった!
目次
第1章 山梨大病院での新型コロナウイルス対応と日本と世界におけるPCR検査(山梨大病院の闘い;PCR検査の不十分な体制は“日本の恥”;ジャパニーズ・ミラクルという虚構)
第2章 地方国立大学病院と地方医療の苦境(アカデミズムの衰退―政府の「文化大革命」;「人」の不足1 臨床研修医制度の問題;「人」の不足2 日本専門医機構の問題 ほか)
第3章 山梨大学の模索(地方の国立大学を守るための闘い;国内初の国立・公立による連携「一般社団法人大学アライアンスやまなし」;地域発の産学協創エコシステムの構築で財源確保 ほか)
著者等紹介
島田眞路[シマダシンジ]
1952年京都府生まれ。77年東京大学医学部卒業。米国国立衛生研究所留学などを経て、86年山梨医科大学(現・山梨大学医学部)皮膚科助教授。91年東京大学医学部助教授、95年山梨医科大学皮膚科教授。2009年から山梨大学医学部附属病院院長、15年から山梨大学学長
荒神裕之[コウジンヒロユキ]
1975年埼玉県生まれ。2000年琉球大学医学部卒業。整形外科医として勤務の傍ら、08年早稲田大学大学院法務研究科修了。18年東京医科大学大学院医学研究科博士課程(公衆衛生学)修了。厚生中央病院院長補佐を経て19年より山梨大学医学部附属病院医療の質・安全管理部特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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