出版社内容情報
世界的オークション会社クリスティーズで古今東西の一流アートに触れてきた著者が指南する芸術鑑賞法と美意識の高め方。
内容説明
いかに美意識を磨き、高めるのか?世界一位のオークション会社クリスティーズ日本代表として最前線で磨いてきたアートを見る眼のつくり方。「鑑賞力を高める50のリスト」付き。
目次
第1章 絵を教養ではなく「自分事」として見る(なぜその絵に惹かれるのか;一部屋ごとのトップの絵を決める)
第2章 一流のものを見よ、触れよ―美意識の高め方(真のグルメはA級もB級も分かる;美には絶対値がある)
第3章 オークションの現場からアートが見える(外国人が好む日本美術;コレクター秘蔵品は“フレッシュ”である;世界レベルの美術館を日本につくる、という発想)
第4章 アートとの向き合い方、お教えします(アートとビジネスセンスは関連するか;アートでディスカッションする)
第5章 アートの見方、お教えします(絵を頭で見るか、心で見るか;プロには「検分」という絵の見方がある;作品に即しての具体的な鑑賞手ほどき)
著者等紹介
山口桂[ヤマグチカツラ]
1963年東京都生まれ。クリスティーズ・ジャパン代表取締役社長。京都芸術大学客員教授。立教大学文学部卒業後、広告代理店を経て92年クリスティーズに入社し、日本・東洋美術のスペシャリストとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
83
オークション会社社長が語る芸術なんて…と斜に構えて読み始めたが、芸術への深い理解と敬意を感じて偏見が払拭された。昨今、芸術を「ビジネスマンの教養」などと紹介する本が溢れていることに私は強い反発を覚えるが、この本はその対極にある。山口さんは「絵を自分事として見る」ことの大切さを主張し、「美には絶対値がある」と信じ、「百聞は実見に如かず」として、安易なデジタル鑑賞や知識偏重を批判する。浮世絵の権威であるお父様(山口桂三郎先生)とともに、小さい頃からお茶やお能に親しんでこられた山口さんならでは美意識に納得する。2021/05/16
アナーキー靴下
69
たまに美術館に行っても、雷に打たれるような出会いだけ求めて、基本早足でまわってしまう…もう少しゆったりと楽しみたいものだと、この本を読んでみた。想像していたより、オークション・スペシャリストとしての著者の自伝的な部分もあり、アートに詳しくない私にはいまいちついていけないところもあったが、逆にアートに興味を持ち続けている人にとっては舞台裏を知るような面白さがあるかもしれない。著者の視点はビジネス寄りだが、それこそアートを楽しむための美意識に不可欠と感じた。誇りあるプロの仕事への正当な評価は最大の敬意だ。2021/05/25
ともっこ
21
もっと絵画を深く楽しみたいと思っていて見つけた本。 「ビジネスに役立つ教養」として絵画の知識を詰め込むのが流行だが、この本を読んだ後は、美術の鑑賞は知識を詰め込んで知ったかぶりをすることではないなと感じた。 「絵は教養ではなく自分事として見る」。絵を純粋に楽しめるようになる良書でおすすめ。 2020/11/16
スプリント
11
アートとは縁の遠い生活をしていますが それだけに興味深い内容でした。2021/05/11
ふう
8
展示室ごとにNo.1を決める見方を提案しているが、よく似たことをしている自分に気づいた。他で聞いた話がいくつかあるが、オークション主催者側の話となるとまた違う評価、感触を伴って面白い。2021/07/04