出版社内容情報
日本を代表する詩人と、水俣病を通して死を見つめ続けた作家が語る魂の対話。
《目次》
まえがき 石牟礼道子
第一章 飢えと空襲の中で見たもの
パーキンソン症候群──読めなくなる、書けなくなる/声が出なくなるかもしれない
食べ物をつくれないのが不自由
石牟礼さんの印象に残っている死についてうかがいたい/飢えの経験/水俣の空襲
人間ってこんなものか/物資不足と竹槍訓練
そのころ、お年寄りはどうしてましたか
お年寄りも「この世に用があって生きている」
第二章 印象に残っている死とは
祖母の死/あの世は「良か所」/祖父・松太郎
父の死──猫のミーを懐に入れて、ぽとんと/いい死に方をした父
父は殺されたぽんたの解剖に立ち会った/『苦海浄土』を書く前に解剖に立ち会う
ぽんたの事件に死の実相を見た/行き倒れの人の死/一人で死ぬのは寂しかけん
お名残惜しゅうございます/父の葬儀/お母様のこと
「勉強しておけば道子に加勢できたのに」
第三章 それぞれの「願い」
『あやとりの記』──流々草花/お経はどこで習いましたか/『正信偈』を唱える
『梁塵秘抄』につながっていく/後白河院と白拍子/お能の魅力
いじめられっ子の味方をしてきた
父と母の老いと病気に向き合うと『梁塵秘抄』が現われる
後白河院が『梁塵秘抄』に込めた願い/景戒が『日本霊異記』に込めた願い
石牟礼さんの願いとは/宗教とは
「そらのみじんにちらばれ」──宮沢賢治との共通点/石牟礼さんの愛唱歌
自分が死ぬということ/寝たきりの母が「生きたい」と言う/自殺を考えたこと
弟の死/自分は半端な人間で
第四章 いつかは浄土へ参るべき
『梁塵秘抄』を飛び飛びに読む/「我等も終には仏なり」/「よろづの仏に疎まれて」
仏様と乞食さん/「勧進どん」への施し/「いつかは浄土へ参るべき」
自分は浄土へ参るのか/良か夢なりとも、くださりませ──七夕の願い
「遊ぶ子供の声聞けば」/「囃せば舞い出づる蟷螂、蝸牛」
伊藤さんの好きな法文歌/「人の音せぬ暁に」/『あやとりの記』のお経を唱える
あとがき 伊藤比呂美
増補 詩的代理母のような人ほか一編
満ち潮――解説がわりの献詩
詩的代理母のような人
石牟礼 道子[イシムレ ミチコ]
著・文・その他
伊藤 比呂美[イトウ ヒロミ]
著・文・その他
内容説明
死に鈍感な者は、生にも鈍感である。日本を代表する詩人と、水俣病を通して死を見つめ続けた作家が語る魂の対話。石牟礼文学の入門書としても最適な1冊。
目次
第1章 飢えと空襲の中で見たもの(パーキンソン症候群―読めなくなる、書けなくなる;声が出なくなるかもしれない ほか)
第2章 印象に残っている死とは(祖母の死;あの世は「良か所」 ほか)
第3章 それぞれの「願い」(『あやとりの記』―流々草花;お経はどこで習いましたか ほか)
第4章 いつかは浄土へ参るべき(『梁塵秘抄』を飛び飛びに読む;「我等も終には仏なり」 ほか)
増補 詩的代理母のような人 ほか一編
著者等紹介
石牟礼道子[イシムレミチコ]
1927年熊本県生まれ。作家・詩人。『苦界浄土』(現・講談社文庫)で1970年に大宅壮一賞に選ばれるが受賞辞退。73年マグサイサイ賞、93年『十六夜橋』(現・ちくま文庫)で第3回紫式部文学賞、2001年度朝日賞、『はにかみの国 石牟礼道子全詩集』(石風社)で02年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。13年エイボン女性大賞、14年第8回後藤新平賞、『祖さまの草の邑』(思潮社)で第32回現代詩花椿賞受賞。2018年2月没
伊藤比呂美[イトウヒロミ]
1955年東京都生まれ。詩人・作家。78年、第16回現代詩手帖賞受賞。99年『ラニーニャ』(現・岩波現代文庫)で野間文芸新人賞、2002年『ビリー・ジョーの大地』(理論社)で第49回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、06年『河原荒草』(思潮社)で高見順賞受賞。07年『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(現・講談社文庫)で第15回萩原朔太郎賞、第18回紫式部文学賞受賞。15年、第5回早稲田大学坪内逍遙大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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