出版社内容情報
言葉の世代差と地域差を軸に、他の言語との比較も交えながら、身近な日本語の「通じなさ」を面白おかしく紹介する。
《目次》
プロローグ──私の異文化体験
ハンカチで鼻をかむイギリス人?/?くしゃみと鼻かみ?/?写真のない運転免許証?/?日本の中の異文化
第1部 中高年の悩み
第1章 昭和の日本語
第2章 何でも略す日本語
1 マクる
先生、マクっていいですか??/?「マクる」の先輩?/?頭が肝心?/?ジョージでバイト?/?2モーラの秘密?/?省エネの原理?/?ポルノが好き?/?「マクる」の大先輩?/?「せくらべ」か「せいくらべ」か?/?やくざの「やあさん」?/?略語の「リ」?/?詩歌のリズム?/?音楽のリズム
2 デジカメの餌
デジカメ?/?ユニクロとコブクロ?/?「じゃがいも」と「半ドン」?/?生コンとボディコン?/?「とんかつ」と「シューカツ」
3 ペットの水でいいですか
ペットの水?/?「こうもり」と「じゃのめ」?/?「ガクドウ」の子?/?早稲田と慶應
4 マイウ
第3章 パンツをはかない女性たち
1 「やばい」話
イチローの「やばい」?/?奥さん、やばいっすよ!?/?意味の上昇?/?我慢と自慢?/?こだわりの一品?/?すごい?/?意味の下降──いい加減?/?英語のniceとsilly
2 パンツとズボン
パンツはいてくればよかった?/?外来語としての「パンツ」?/?2種類のパンツ?/?意味の拡大?/?腕を上げる?/?「指の先」と「この先」?/?この「ところ」?/?「明後日」の方向?/?place は広場?
3 洋服も着物
洋服も「着物」?/?牛車も「車」?/?「肉まん」と「ブタまん」?/?meatとflesh?/?「やばい」と「パンツ」のまとめ
第4章 発音も変わる
1 ふいんき
雰囲気は「ふいんき」か?/?「山茶花」?/?マンマとウンチ?/?サッちゃん?/?三つの詩歌?/?女房子供?/?みなしごハッチ?/?「ローテ」と「ロケ」?/?「パンツ」と「ツンパ」?/?魔人ブウとウーブ?/?のどぬーる?/?かっとばせえ阿部!?/?ピクニック?/?英語の「ナガサーキ」?/?「さざんか」と「ふいんき」
2 金メダルと銀メダル
金か銀か?/?語頭の濁音?/?濁音の特殊性
コラム1 かぐや姫の粗い髪
コラム2 真っ白な掃除機
第5章 全然OK
全然大丈夫?/?頭痛が痛い?/?5000円からお預かりします?/?ゴジラ?/?十本?/?brunch
第2部 ところ変われば
第1章 日本国内の異文化
味噌おにぎり?/?牡蠣のお雑煮?/?黒蜜ところてん?/?水筒と体操服?/?食べ物と言葉
第2章 味噌汁は「からい」か「しょっぱい」か
1 俚言
いちびりとゲラ?/?けったマシン?/?昼ほうか?/?げんなか?/?しょっぱい?/?「かたす」と「なおす」
2 お肉買ってきて
豚肉は「肉」か??/?豚肉のカレー
3 「わい」と「おい」
4 隣のおっさん
5 ねまる
6 ところ変われば形容詞も変わる
太か人?/?辛か味噌汁?/?甘か味噌汁?/?お湯が痛か
7 ぶつかりよった
コラム3 鹿児島の「おかべ」
第3章 あなたにくれる
1 「やる」と「くれる」
犬に餌をくれる?/?読んでくれる?/?新聞をやって
2 鹿児島弁と英語
「行く」と「来る」?/?お湯が痛い?/?YesかNoか
第4章 進化している和歌山弁
1 「を」はオかウォか
2 象の銅像
先進的な和歌山弁?/?音の有標性
3 雨はアメかアメか
雨と飴?/?いろいろな「ありがとう」?/?標準語と鹿児島弁?/?類別語彙?/?中国語の方言差?/?日本語はアクセントの宝庫
コラム4 質屋はシチヤかヒチヤか?
4 上げる標準語、下げる鹿児島弁
疑問文のイントネーション?/?名古屋弁の詰問?/?上げる標準語、下げる鹿児島弁?/?鹿児島弁の疑問文?/?北と南?/?甑島弁の疑問文?/?世界の疑問文
コラム5 しゃくにさわる標準語
エピローグ
日本語の多様性と言葉の摩擦?/?日本語の多様性と言葉の教育
あとがき
窪薗 晴夫[クボゾノ ハルオ]
著・文・その他
内容説明
言葉の変化/進化の裏には必ず法則があった!略語、ズージャ語に見られる若者言葉や新語から、方言の豊かな世界まで。笑わずにはいられない数々の身近な実例をもとに、ときに外国語や昔の日本語との比較も交えつつ、「通じない」日本語の特徴を分かりやすく解説する。誰もが主人公になれる、日本の中の「異文化コミュニケーション」への誘い。
目次
第1部 中高年の悩み(昭和の日本語;何でも略す日本語;パンツをはかない女性たち;発音も変わる;全然OK)
第2部 ところ変われば(日本国内の異文化;味噌汁は「からい」か「しょっぱい」か;あなたにくれる;進化している和歌山弁)
著者等紹介
窪薗晴夫[クボゾノハルオ]
1957年、鹿児島県川内市(現薩摩川内市)生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)で英語を、名古屋大学大学院で英語学を、イギリス・エジンバラ大学で言語学・音声学を学ぶ。専門は音韻論(言語学)。他の言語との対照により日本語の仕組みを研究している。大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所教授・副所長。2015年より日本言語学会会長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。