平凡社新書<br> 「おもてなし」という残酷社会―過剰・感情労働とどう向き合うか

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平凡社新書
「おもてなし」という残酷社会―過剰・感情労働とどう向き合うか

  • 榎本 博明【著】
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 平凡社(2017/03発売)
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  • サイズ 新書判/ページ数 208p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582858396
  • NDC分類 366.021
  • Cコード C0236

出版社内容情報

行き過ぎた「おもてなし」(接客)の精神が現代に働く私たちの多くを追い詰めている。その社会的背景や実例を示し、対処法を考える。

《目次》
はじめに──なくならない過労死

第1章 なぜ、過剰な「お客様扱い」が当たり前となったのか
「顧客満足(CS)度」が日本人の心を壊す
オリンピックに向けてもてはやされる「『おもてなし』の精神」
お互いに気遣いをし合う、心地よい関係が崩れつつある
「間柄」と「自己中心」という文化の違い
日本語の曖昧な表現が意味するもの
「すみません」に込められた言葉の意味
困っているのに笑顔なのは、なぜか
「はい」は必ずしも「イエス」ではない
自己主張が苦手なわけ
遠慮するのはなぜか
なぜ、共感性が高いのか
間柄としての自己を生きる
謝罪が責任に直結しない「お互い様」という考え方
「お客様扱い」が「お互い様」の精神を崩壊させた

第2章 あらゆる職業が感情のコントロールを強いられる社会へ
一方的な奉仕を強いられる社会
感情労働に必要とされる表層演技と深層演技
「こう感じるべき」という感情労働の規則
感情の抑制が大きなストレスを生む
感情のコントロールを失わせるバーンアウトという現象
だれもがごく自然に気遣いをしてきたのだが……
そして、異常なまでの感情労働を強いられる社会となった
「お客様第一」という美徳も行き過ぎると……
今や、接客業だけではない
ネット社会によって、ますます感情労働を強いられる
苦情処理が事業の成否を左右するというのだが……
本来の仕事より苦情処理に気を遣う時代
人員削減が私たちの心をさらに追いこむ
人間味が失われていく職場
総活躍社会というトリック

第3章 「お客様は神様」という発想が働く現場を過酷にする
心の不調を抱える人たち
高まりをみせる労働問題が絡む自殺比率
過重な仕事の負荷と「お客様扱い」の関係
増幅するお客様意識
四六時中、感情労働を強いられる対人援助職
過酷な教育現場の状況とは
教育現場にさえも「顧客満足」重視が……
過酷な保育現場の状況
思いがけない苦情が、保育者をさらに苦しめる
医療事務従事者ほど理不尽な対応を迫られる医療現場
看護師に求められる特有の働き方
看護師の感情規則
バーンアウトや離職が多い看護職の現場
あまりにも過酷な介護の現場
非常に難しい感情コントロールが求められる介護職員
理不尽なクレームにも耐える車掌や駅員
とりわけ過酷なコールセンター業務
業者という立場の嘆き

第4章 職場内すらも抑圧された感情が渦巻く場に
横暴な上司に対して、ひたすら我慢する部下
上司を傷つけないように気遣いも必要なんて……
上司や先輩のアドバイスにさえ、「上から目線」と反発
若手社員はお客様なのか
採用面接、さらには新入社員にも気を遣うブラック恐怖症の企業
感情を押し殺すのは非正規社員だけではない

第5章 過剰・感情労働時代のストレスとの付きあい方
客となってストレスを発散する社会
枠組みを変えるリフレーミング
ひとりで抱え込まないで、共感を得ること
自己開示できる場をもつ
腹が立つこと、ムシャクシャすることをノートに書き留める
注目されるレジリエンスという心の性質
どうすれば、レジリエンスを高めることができるか
肯定的な意味づけの力を高める
感情労働の一要素である「探索的理解」
ある程度の自律性をもたせるような仕事のやり方を模索する
日常の生活を充実させる
「おもてなし」の勘違いに気づく

あとがき


榎本 博明[エノモト ヒロアキ]
著・文・その他

内容説明

私たち日本人は、人と人との「間柄」を配慮しながら生きてきた。だからこそ、接客の場で心地よい「おもてなし」がなされてきたのだ。しかし、もともと丁寧な対応をし、信頼関係を築いてきた場に、欧米の「顧客満足(CS)」といった概念が取り入れられ、従業員は過剰な「お客様扱い」を強いられるようになった。そして、客は過剰な接客を当然とみなし、どんどんわがままになっていく―。過酷なストレス社会を生き抜くために、その社会的背景を理解し、対処法を考える。

目次

第1章 なぜ、過剰な「お客様扱い」が当たり前となったのか(「顧客満足(CS)度」が日本人の心を壊す
オリンピックに向けてもてはやされる「『おもてなし』の精神」 ほか)
第2章 あらゆる職業が感情のコントロールを強いられる社会へ(一方的な奉仕を強いられる社会;感情労働に必要とされる表層演技と深層演技 ほか)
第3章 「お客様は神様」という発想が働く現場を過酷にする(心の不調を抱える人たち;高まりをみせる労働問題が絡む自殺比率 ほか)
第4章 職場内すらも抑圧された感情が渦巻く場に(横暴な上司に対して、ひたすら我慢する部下;上司を傷つけないように気遣いも必要なんて… ほか)
第5章 過剰・感情労働時代のストレスとの付きあい方(客となってストレスを発散する社会;リフレーミングの必要性 ほか)

著者等紹介

榎本博明[エノモトヒロアキ]
1955年東京生まれ。東京大学教育学部教育心理学科卒業。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授などを経て、MP人間科学研究所代表、産業能率大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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鉄之助

146
「おもてなし」を勘違いし、生きにくくなっている現代日本に警鐘。顧客満足と共に、「従業員満足」も達成しないと、長続きしない、と実感。2020/01/13

きいち

47
図書館で言われる「ありがとうございました」への強烈な違和感!そうそう、と膝を打ち読み始めた。感情労働に疲れた人が、客となってそのストレスを発散するためモンスターと化し、新たな感情労働ストレスを生んでいくという負のスパイラル。逆転させるのに特効薬などない、個々の労働者、個々の職場での取り組みを回していくしかない。ここで提示された処方箋のなかでも特に有効だと思ったのは、相手の背景まで考察する「探索的理解」。相手の苦しい状況が理解できれば腹も立たなくなることは確かにある。どんな仕事でも大切なスキルかもしれない。2017/05/21

hatayan

46
欧米は自分第一の「自己中心の文化」だが我が国はお互いに気遣いしあう「間柄の文化」。顧客満足の考え方が輸入されると日常に加え仕事の場でも感情の抑制を迫られることが増え、一方顧客である保護者や患者は増長。現場の教員、看護士にしわ寄せが行くことを懸念します。 ストレス過多の環境を生きる処方箋として、事実を違った枠組みに置く「リフレイミング」、メンターを持つこと、日記など個人的なものに思いを書き留める習慣を持つことを列挙。気分が落ち込むことがあってもやがて回復するしなやかさ「レジリエンス」を高めたいと提案します。2020/03/07

鱒子

38
図書館本。サービス過剰へ警鐘を鳴らす本。全くその通りだ!もっと言ってくれ! しかしーー 自分は販売業従事者です。本書に書いてある通り、理不尽な「お客さま」も確かにいますが、そればかりに目を向けると仕事というものを見失う気がします。接客業に限らず、上司部下の間柄にも存在する、過剰な「感情労働」 。結局のところ、自分がどこに立ち、どこに目を向けるかを見つけらないと、解決しないと思います…。2017/04/21

hiyu

17
「おもてなし」、とは明らかに「サービス」とは異なるである。多分ホスピタリティの意味合いが強いのではないか。それが、いつの間にか、「当然の」また「デフォルト」としての意味合いも加わったサービスとなっている。もしかしたら自分でも「暗黙のうちに」、「空気感」を醸し出してそれを要求しているのかもしれない、そう考えるとなんだか怖い。2017/03/23

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