出版社内容情報
エコノミーと上級クラスの待遇の差は隔絶の域に。かたやシャワー付き個室、かたや立ち乗り……。航空機クラス分けの今をレポート。
はじめに
序章 客室から見た旅客機の歴史
運を天に任せていた空の旅/最初は客室などなかった/視界の利かない夜は飛ばない
大洋横断に飛行艇が活躍/優雅だった飛行艇の旅/与圧されていなかった客室
機内食の始まりはサンドウィッチ/船を手本にした航空
ランク分けが少なくなった鉄道/革命的変化だったジェット化
機内レイアウトは簡単に変えられる/搭乗クラスと異なる「運賃クラス」
将来はいくつのクラスになるのか
コラム=サービスに付きまとう「お色気」
part I│国際線──空の大衆化、そして格差拡大
1 「その他大勢」の〈エコノミークラス〉
最初の呼称は「ツーリストクラス」/飛行機の発達がYクラスを拡大
ジェット機でYクラスが主役に/メンツをかけた「サンドウィッチ戦争」
タダ酒で切り込んだSQ/ジャンボで庶民が飛行機に乗れた
円高の恩恵を享受できなかった日本人/格安券退治に登場した「正規割引」
Yクラス内でも格差が拡大/ヴァージンの当初案は「下層民クラス」
軽視されるYクラス/「格差なし」の燃油サーチャージ
LCCとの争奪戦になったYクラス客/狭くなるヒップスペース
LCCは付帯収入で稼ぐ/体重が運賃に連動するサモア航空
アジア人は「高く」とも広さを求める/エコノミー席の改善に乗り出したキャリア
将来は「立ち席」が実現か
2 強豪エアラインの激戦区〈ビジネスクラス〉
団体客からの分離/シートで差別化したパンナム/当初は運賃の割増はなかった
「フルフラット」が常識に/多彩な魅力を加味する日系
「フルフラット」にもさまざまな仕様あり/激しくなる「機内食戦争」
地上での戦いは「ラウンジ」で/ビジネスクラスは将来にわたって不動の地位
3 何が「プレミアム」なのか──〈PYクラス〉
不景気が生んだ新たな「中間クラス」/ビジネス路線のみでの設置
四クラス制を実現させた超大型機/充実に躍起になるエアライン
重要になるエンタメ設備/理解しにくいクラスの名称
将来は新クラスではなく「新シート」扱いにすべき
4 存続が危ぶまれる〈ファーストクラス〉
少なくなった設置キャリア/「我がまま」を叶えるサービス
インテリアの豪華さで驚かせたJAL/狭い「ファースト」に苦しんだコンコルド
ANAも「ファースト」込みの三クラスで参入/成功しない「豪華」エアライン
維持するキャリアはさらに豪華に/ファーストにも割引運賃
将来は超音速ビジネス機か、NYまで二時間の宇宙飛行機
コラム=各クラス別で高評価のエアラインは?
part II│国内線──モノクラスから階級社会へ
内容説明
ファースト、ビジネス、エコノミー―航空の三クラスはどのような経緯で出来上がったのか、いま、ファーストとエコノミーでは、サービスは雲泥の差になりつつある。この格差の拡大はどんな事情に促されたものなのか?航空旅行の歴史を駆け足でたどり、興味津々のクラス分け事情を開陳、明日を予測。
目次
客室から見た旅客機の歴史
1 国際線―空の大衆化、そして格差拡大(「その他大勢」の“エコノミークラス”;強豪エアラインの激戦区“ビジネスクラス”;何が「プレミアム」なのか―“PYクラス”;存続が危ぶまれる“ファーストクラス”)
2 国内線―モノクラスから階級社会へ(窮余の一策で生まれた「空のグリーン席」;格段に充実した上級クラス、シート)
著者等紹介
杉浦一機[スギウラカズキ]
1947年石川県生まれ。航空アナリスト。首都大学東京客員教授。利用者サイドの視点から航空産業や航空交通に関する執筆・講演活動を展開。参議院運輸委員会調査室客員調査員、経済産業省産業構造審議会臨時委員、東京都の航空関連委員会委員、福岡空港調査委員会委員なども歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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