平凡社新書
慰安婦問題の解決のために―アジア女性基金の経験から

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  • サイズ 新書判/ページ数 223p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582857764
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0231

出版社内容情報

アジア女性基金の主要メンバーであった著者が、その活動を振り返り、その成否を問い、慰安婦問題の解決への道筋を示す。

はしがき

第1章 日韓関係の危機と慰安婦問題
慰安婦問題の第一ラウンド/慰安婦問題の第二ラウンド/
慰安婦問題の第三ラウンド/安倍首相は河野談話継承を公言する/
『朝日新聞』騒動の嵐/慰安婦問題のゆくえ/

第2章 慰安婦問題とはいかなる問題か
慰安婦とは誰なのか/日本の政府とアジア女性基金の定義/
語ることもできなかった慰安婦問題/韓国における慰安婦問題の爆発/
慰安婦被害者の登場/慰安婦が集められる方法と過程/
日中戦争期の慰安所/大東亜戦争期の慰安所/
フィリピンでの准慰安所/収容所から慰安所へ──インドネシアのオランダ人慰安婦/
被害者類型のバランス

第3章 河野談話はどうしてできたか
河野談話と日韓条約体制/慰安婦問題の提起と宮沢内閣/
真相究明のための日韓協力/宮沢首相の訪韓/
「吉田清治本」批判の動き/調査結果の第一次発表/
河野談話の作成へ/金泳三大統領の新方針と自民党政権の終焉
河野談話のとりまとめと日韓交渉/河野談話の内容/
河野談話──直後の反応

第4章 アジア女性基金はどうして生まれたか
取られるべき措置の検討/村山内閣の成立以後
三党プロジェクトと慰安婦問題等小委員会/戦後五〇年の年に
一つの忘れがたい話し合い/基金のスタート/
慰安婦被害者との面談/基金の決定の仕組み/
呼びかけ文と広告/パンフレットの作成/
募金の動き/総理のお詫びの手紙/
償い金の額の決定/アジア女性基金に反対した人びとの気持ち

第5章 アジア女性基金の「償い」事業
フィリピンでの事業/韓国での事業実施の準備/韓国での事業の実施/
金大中大統領の下で/台湾での事業/
インドネシアでの事業/オランダでの事業/
その他の国々/歴史資料出版研究事業/
基金の達成/基金の会計報告/
基金をどう評価するか

第6章 基金解散以後の新展開
アジア女性基金の解散/立法的解決案の顛末/
韓国憲法裁判所判決を受けて/解決の試みと野田首相

第7章 慰安婦問題の解決へ
運動団体の新提案/慰安婦問題真相の究明/
日韓首脳の責任/加害国と被害国の協力

あとがき

慰安婦問題関連年表
参考文献

【著者紹介】
1938年生まれ。歴史学。東京大学名誉教授。東北大学東北アジア研究センター・フェロー。1995年から2007年まで、「アジア女性基金」の呼びかけ人、運営審議会委員、理事、専務理事・事務局長を務めた。現在、日朝国交促進国民協会理事・事務局長。主な著書『朝鮮戦争全史』、『日露戦争 起源と開戦』、『北朝鮮現代史』(以上、岩波書店)、『金日成と満州抗日戦争』、『歴史としての野坂参三』(以上、平凡社)。

内容説明

一九九〇年代に大きく浮上した慰安婦問題は、二五年たった今日も未解決のまま、日韓関係を危機に陥れている。なぜ、慰安婦問題は解決へ向かうことができなかったのか。日本政府がつくったアジア女性基金の中心メンバーとして活動した著者が、アジア女性基金の創設から解散までの経緯と結果をふり返り、その経験から、慰安婦問題の解決のために新たな提言を行う。

目次

第1章 日韓関係の危機と慰安婦問題(慰安婦問題の第一ラウンド;慰安婦問題の第二ラウンド ほか)
第2章 慰安婦問題とはいかなる問題か(慰安婦とは誰なのか;日本の政府とアジア女性基金の定義 ほか)
第3章 河野談話はどうしてできたか(河野談話と日韓条約体制;慰安婦問題の提議と宮沢内閣 ほか)
第4章 アジア女性基金はどうして生まれたか(取られるべき措置の検討;村山内閣の成立以後 ほか)
第5章 アジア女性基金の「償い」事業(フィリピンのでの事業;韓国での事業実施の準備 ほか)
第6章 基金解散以後の新展開(アジア女性基金の解散;立法的解決案の顛末 ほか)
第7章 慰安婦問題の解決へ(運動団体の新提案;慰安婦問題の究明 ほか)

著者等紹介

和田春樹[ワダハルキ]
1938年生まれ。歴史学。東京大学名誉教授。東北大学東北アジア研究センター・フェロー。1995年から2007年まで、「アジア女性基金」の呼びかけ人、運営審議会委員、理事、専務理事・事務局長を務めた。現在、日朝国交促進国民協会理事・事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Z

6
いい本だった。慰安婦補償問題を扱っていた国が設立した機関に属した者による、慰安婦問題がどういう風に扱われてきたか、メディア、言論紙、週刊紙、国内政治、外国の政治状況をからめて重層的に描写され、政治的な問題がどのように動くかということが、リアルに感じられた。政治的な難しい問題だが、比較的バランスのよい記述で客観性を失わず、事実問題は書いていると思う。日韓基本条約により以後戦時期の補償を行わないこととしたこと、のち韓国が民主化され民衆の声が政治に反映されるようになったこと。国家の責任の有無、かつ責任の取りかた2016/01/18

SK

4
339*アジア女性基金とは何だったのかを知るために。政治的妥協の産物であれば、被害者は納得できないよなぁ。2019/12/20

たろーたん

2
反慰安婦で活躍しているアクターは結構多いようだ。読売新聞『徹底検証 朝日「慰安婦」報道』や、産経新聞『歴史戦―朝日新聞が世界にまいた「慰安婦」の嘘を討つ』もある。他にも、朝日新聞批判の草分け的存在である東京基督教大学国際キリスト教学科教授・西岡力『朝日新聞「日本人への大罪」』や、元産経新聞政治部記者・山際澄夫『すべては朝日新聞から始まった「慰安婦問題」』もある。他にも、櫻井よしこら「歴史事実委員会」はワシントン・ポストに“The Facts”の意見広告を出している。意外とアクターが多い。(続)2024/09/12

とおる

1
外相会談での合意を受けて、慰安婦問題について勉強しはじめた。この問題は左右両派によって見方が相当違うので、特にしっかり勉強せねばならない。和田春樹氏は、アジア女性基金の当事者なので、当時の事情、問題点などに詳しく大変参考になった。慰安婦問題について一気呵成に、さらに勉強しなくては!2016/01/02

Akio Kudo

0
★★★★★ 基金があっても、何ら謝罪など伴わなければ意味がない。相手の同意がないお金など誰も受け取らない現実をどう政府は捉えているのかと心配になる。2017/12/29

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