出版社内容情報
アジア女性基金の主要メンバーであった著者が、その活動を振り返り、その成否を問い、慰安婦問題の解決への道筋を示す。
はしがき
第1章 日韓関係の危機と慰安婦問題
慰安婦問題の第一ラウンド/慰安婦問題の第二ラウンド/
慰安婦問題の第三ラウンド/安倍首相は河野談話継承を公言する/
『朝日新聞』騒動の嵐/慰安婦問題のゆくえ/
第2章 慰安婦問題とはいかなる問題か
慰安婦とは誰なのか/日本の政府とアジア女性基金の定義/
語ることもできなかった慰安婦問題/韓国における慰安婦問題の爆発/
慰安婦被害者の登場/慰安婦が集められる方法と過程/
日中戦争期の慰安所/大東亜戦争期の慰安所/
フィリピンでの准慰安所/収容所から慰安所へ──インドネシアのオランダ人慰安婦/
被害者類型のバランス
第3章 河野談話はどうしてできたか
河野談話と日韓条約体制/慰安婦問題の提起と宮沢内閣/
真相究明のための日韓協力/宮沢首相の訪韓/
「吉田清治本」批判の動き/調査結果の第一次発表/
河野談話の作成へ/金泳三大統領の新方針と自民党政権の終焉
河野談話のとりまとめと日韓交渉/河野談話の内容/
河野談話──直後の反応
第4章 アジア女性基金はどうして生まれたか
取られるべき措置の検討/村山内閣の成立以後
三党プロジェクトと慰安婦問題等小委員会/戦後五〇年の年に
一つの忘れがたい話し合い/基金のスタート/
慰安婦被害者との面談/基金の決定の仕組み/
呼びかけ文と広告/パンフレットの作成/
募金の動き/総理のお詫びの手紙/
償い金の額の決定/アジア女性基金に反対した人びとの気持ち
第5章 アジア女性基金の「償い」事業
フィリピンでの事業/韓国での事業実施の準備/韓国での事業の実施/
金大中大統領の下で/台湾での事業/
インドネシアでの事業/オランダでの事業/
その他の国々/歴史資料出版研究事業/
基金の達成/基金の会計報告/
基金をどう評価するか
第6章 基金解散以後の新展開
アジア女性基金の解散/立法的解決案の顛末/
韓国憲法裁判所判決を受けて/解決の試みと野田首相
第7章 慰安婦問題の解決へ
運動団体の新提案/慰安婦問題真相の究明/
日韓首脳の責任/加害国と被害国の協力
あとがき
慰安婦問題関連年表
参考文献
【著者紹介】
1938年生まれ。歴史学。東京大学名誉教授。東北大学東北アジア研究センター・フェロー。1995年から2007年まで、「アジア女性基金」の呼びかけ人、運営審議会委員、理事、専務理事・事務局長を務めた。現在、日朝国交促進国民協会理事・事務局長。主な著書『朝鮮戦争全史』、『日露戦争 起源と開戦』、『北朝鮮現代史』(以上、岩波書店)、『金日成と満州抗日戦争』、『歴史としての野坂参三』(以上、平凡社)。
内容説明
一九九〇年代に大きく浮上した慰安婦問題は、二五年たった今日も未解決のまま、日韓関係を危機に陥れている。なぜ、慰安婦問題は解決へ向かうことができなかったのか。日本政府がつくったアジア女性基金の中心メンバーとして活動した著者が、アジア女性基金の創設から解散までの経緯と結果をふり返り、その経験から、慰安婦問題の解決のために新たな提言を行う。
目次
第1章 日韓関係の危機と慰安婦問題(慰安婦問題の第一ラウンド;慰安婦問題の第二ラウンド ほか)
第2章 慰安婦問題とはいかなる問題か(慰安婦とは誰なのか;日本の政府とアジア女性基金の定義 ほか)
第3章 河野談話はどうしてできたか(河野談話と日韓条約体制;慰安婦問題の提議と宮沢内閣 ほか)
第4章 アジア女性基金はどうして生まれたか(取られるべき措置の検討;村山内閣の成立以後 ほか)
第5章 アジア女性基金の「償い」事業(フィリピンのでの事業;韓国での事業実施の準備 ほか)
第6章 基金解散以後の新展開(アジア女性基金の解散;立法的解決案の顛末 ほか)
第7章 慰安婦問題の解決へ(運動団体の新提案;慰安婦問題の究明 ほか)
著者等紹介
和田春樹[ワダハルキ]
1938年生まれ。歴史学。東京大学名誉教授。東北大学東北アジア研究センター・フェロー。1995年から2007年まで、「アジア女性基金」の呼びかけ人、運営審議会委員、理事、専務理事・事務局長を務めた。現在、日朝国交促進国民協会理事・事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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