出版社内容情報
各時代の「辞書」を読み解き、その時代の言語生活を浮き彫りにする。辞書的ををつくり読む愉楽のありかとは?
内容説明
『日本国語大辞典』から『言海』へ、また辞書の始まり『和名類聚抄』から『類聚名義抄』『色葉字類抄』、さらに『日葡辞書』『節用集』『和訓栞』…各時代を代表する辞書とその相互関係を仔細によむ。すると連鎖する辞書の歴史とその意想外の始まりが見えてくる。
目次
序章 辞書を概観する
第1章 現代の国語辞書
第2章 『日本国語大辞典』
第3章 明治時代の辞書
第4章 古辞書の初めに位置する『和名類聚抄』―中国語をいかに理解するか
第5章 平安時代~室町時代に編まれた辞書
第6章 江戸時代に編まれた辞書
終章 辞書をよむ
著者等紹介
今野真二[コンノシンジ]
1958年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院博士課程後期退学。清泉女子大学教授。専攻、日本語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
59
私も様々な辞書を読むのがすきで、あちこちに辞書をいています。国語辞典で言えば、広辞苑の初版と第5版、第6版を持っていて、時たま5版、6版を比較しています。この本ではどちらかというと現代の辞書よりも昔の辞書の話をしてくれていて、平安時代からの辞書の歴史を示してくれて非常にこれからの楽しみが増えるのではないかと思っています。2015/05/27
katsubek
19
辞書の個性・性格というあたりにお話がいくと、なるほどと思わせられる。少々専門的になるところは致し方なし。それでも面白い。2015/03/15
endocco
5
こちらの読書速度が著者の執筆速度に追いつかないという、驚異的な状況下にあるため、全てに目を通せない。辞書史は門外漢のため、手に取った。が、平坦な辞書史ではない。入門者向けにしてはけっこう癖がある。主要な辞書をしっかり押さえつつ、著者は一貫して「陥穽」に警告を発している。辞書が取り上げる日本語の範囲の広狭や偏重、語釈の限界、一冊の背後にある膨大な蓄積、等々。辞書は万能ではない、その性質を知った上で正しくよんでほしい、という主張が強く述べられている。2015/05/06
garyou
3
かつて知らないことばをノートに書き付けて辞書を引いて意味を付け足していたことがある。辞書ってそんなところから生まれたのかと感慨深く読む。自分が辞書に惹かれるわけは「過去の方向へのひろがり」にあるのかもしれないな。2019/01/18
カネコ
3
○2015/01/09