出版社内容情報
史上屈指の人気作品が放つ〈不滅の魅力〉の核心とは。その秘密をあらゆる角度から徹底解析!
内容説明
一九六五年の公開以来、今や世代を超えて愛されるミュージカル映画の傑作は、なぜこれほどまでに観る者を惹きつけるのか―。批評家のあいだでは「通俗的過ぎる」という理由からいまだかつて知的考察の対象とされたことのない永遠の名作の魔法を読み解く。
目次
第1章 導入部の魔術
第2章 マリア、変幻自在
第3章 愛されるストーリーの秘密
第4章 歌と歌唱の力
第5章 神は細部に宿る
第6章 ロケ地巡礼
著者等紹介
瀬川裕司[セガワユウジ]
1957年、広島県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、明治大学教授。専門は映画学およびドイツ文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
74
ドイツ文学者にして映画学者が熱く語る。「過去、数えきれないほどの映画を観てきたが、何回も繰り返しみたくなるのが『サウンド・オブ・ミュージック』と『お熱いのがお好き』」で、ザルツブルグのロケ地は世界中の観光客で連日、にぎわっているとのこと。ジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマーの貢献に加えて、大佐の婚約者役のエレナー・パーカーの存在も大であると。レオポルツクローン宮殿が「映画のロケ地」として観光地化しているが、実際はロケをことわられたので、宮殿とそっくりなセットを作ってそこで撮影したとのこと。2024/12/08
さきん
26
サウンドオブミュージックの映画にはどのような魅力があるのかを掘り下げて紹介。客の心を捉える様々な仕掛けが紹介される。メリーポピンズとの比較が面白かった。外部の変人が内部を変革するという黄金の方程式がよくわかった。モデルとなった大佐一家はアメリカに亡命し、果てやこのような娯楽映画のモデルとなったことから、オーストリア上流階級の没落の一端を表しているように感じた。2017/01/12
へくとぱすかる
26
公開から50年と聞いてびっくり。マリアと大佐を演じたお二人が、今も健在なのがうれしいです。「あの映画」の魅力を徹底分析。次々に映画の場面が思い出されて、楽しい気分になります。何よりも音楽! 知らない人のない「ドレミの歌」にさえ、秘密があったんですね。映画の中の場面やちょっとした個所に、実はすごく工夫がなされていたということを知って、なおさら驚きの連続。そして映画を盛り上げるためのストーリーや進行の妙。うなることばかり。あの映画が名作なのも十分にうなづけます。映画ってこうして作られるものなんですね。 2015/01/22
フーミン
13
サウンドオブミュージックの魅力を伝えてくれるこの本は映画では知ることができない深い思想や美しいロケ地の風景を細かな描写力で伝えてくれる すごいなー この映画をもっと好きになりそうです 2024/08/12
Kei
12
ヒットするものには理由があり、古典となるものには、もっと理由がある。(笑)2015/03/30