出版社内容情報
みな子は自分の弟が生まれてから、家族からあまりかまわれなくなって、悲しくなる。そんなときにみな子をじっと見つめる母ぎつねと出会う。それ以来、みな子が目をつぶると、母親も、先生も、友だちも、みんな、きつねになってしまう……。 小学校中学年
内容説明
ひとりぼっちの少女の心にしのびよるきつねのかげを美しいイメージでつづったファンタジー。第10回小川未明文学賞「大賞」作品。小学中級から。
著者等紹介
津島節子[ツシマセツコ]
福島県に生まれる。絵を描きながら創作を始め、日本児童文芸家協会主催の第5回創作コンクールに入選し、『12歳、いまガラスの季節』を、文渓堂より出版。「ときの会」同人。第10回小川未明文学賞大賞を『目をつぶれば、きつねの世界』で受賞
狩野富貴子[カリノフキコ]
1945年、高知県生まれ。広告関係の仕事を経て絵本・さし絵の世界に入る
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
4年生ブックトーク授業【冬休みにおすすめの本】面白そう、と思ってもらえるような短めの本を選書。宿題にはしませんが、「面白かったところ、クライマックス」を読み終えたら考えてね、と紹介しました。弟が生まれてから寂しさを感じてる小3のみな子。自分を邪魔者と感じているところに、キツネとの出会い、キツネ家族の優しさに触れ、自分はキツネの中の唯一の人間かも?と思うようになり…。子どもたちに挿絵を見せると「綺麗!」と歓声があがりました。2021/12/15
KUAD
2
結構面白かった。みな子が目をつぶると、家族も先生も友達も、みんな、きつねになる。その幻想を抱く孤独な少女の心と、忍び寄るきつねの影を、美しいイメージで描いたファンタジー2011/01/11
金春
2
新しく産まれた弟を自分よりも優先して可愛がる家族。純真ゆえに抑えられない嫉妬や孤独感。そこで知った狐の世界。主人公の心情が始終よく伝わってくるが、田舎の素朴な背景と幻想的で謎めいた狐が上手く絡んでいて決して重くはない。むしろ、清涼な空気を感じた。個人的に挿絵の絵がとても好き。2009/10/29
momonnga
0
このお話大好きだったなぁ。最後が感動的。みんなに読んでほしい作品です。