出版社内容情報
ピカソやダリが生き、現代ではガウディの建築やサッカーのバルサが人々を魅了してやまないバルセロナ。この街を中心に、スペイン随一の繁栄を誇るカタルーニャのすべてを、第一人者が紹介する。
内容説明
スペインであって、スペインでない!?ガウディーからバルサまで、国際都市バルセロナを中心に独自の文化が花開く「奇跡の土地」を、第一人者が紹介する決定版。
目次
1 カタルーニャとは
2 政治・経済―スペインの中のカタルーニャ
3 歴史―中世の栄光、長い停滞、そして復活
4 言語―民族のアイデンティティとしてのことば
5 芸術―創造性のDNA
6 文学―世界水準の文芸
7 スポーツ―カタルーニャの闘魂「バルサ」
8 食―美食家の天国へ
9 民俗・芸能―祭に彩られる街
10 奇跡の都市バルセロナ
付録 意外なところにカタルーニャ
著者等紹介
田澤耕[タザワコウ]
1953年横浜生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京銀行勤務を経て、大阪外国語大学にて修士号取得。バルセロナ大学にて博士号(カタルーニャ語学)取得。現在、法政大学国際文化学部教授。専門はカタルーニャ語・カタルーニャ文化。2003年カタルーニャ自治政府より「サン・ジョルディ十字勲章」を、09年外務大臣表彰を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
14
カタルーニャが独立を求める背景には二つの問題がある。第一に、民族自決を求める純粋なナショナリズムである。カタルーニャ人は民族意識は強いが同時に現実主義者でもある。これまでスペインから独立することが必ずしも得策とは言えないと考える人々も少なくなかった。独立支持派は少数だった。それが2010年に大きく変化する。2010年に何があったのか。スペインの憲法裁判所がカタルーニャ議会で採択された新しい自治憲章の重要な部分に違憲判決を下したのである。この判決はカタルーニャのアイデンティティの根幹を否定したに等しかった。2017/11/22
Koki Miyachi
6
カタルーニャの独立騒動もあり、今一度カタルーニャに関する知見を再整理したくて選んだ。カタルーニャ語も含め、もともと独自の文化を育んできたのにスペインという国の一部に甘んじている現状や、相対的に重い経済的負担など、やむにやまれぬ状況が理解できた。政治、経済、歴史、言語、芸術、スポーツ、食、民族・芸術、バルセロナと分かりやすい章立てで、どこから読み始めてもその章で完結して理解できる構成もよい。2018/05/03
くみ
6
バルセロナに旅行する前の予習で読みました。観光ガイドブック?と思いきや、カタルーニャ地方の歴史、政治、経済から文学、お料理まで、幅広い内容でした。 中央政府から何度も抑圧にあい、カタルーニャ語を禁止されたり、抑圧の時代が多かったバルセロナを含むカタルーニャ地方。 10月1日が独立の住民投票日らしいのですが、中央政府から「違憲投票」として、カタルーニャ州高官が逮捕され、旅行中、その逮捕に抗議するデモに遭遇しました。 2017/09/15
ゆたか
1
カタルーニャ関係はほぼこの人の独壇場である。カタカナ表記もなるべくカタルーニャ語に忠実にする点に筆者の思い入れを感じる。スペインという国家の中に、これだけ独自の文化を持った地方があるあたりから、近代国家とは、国民国家とは一体何なのかとしばし考えてしまう。ところで、どこかの旅行代理店のウェブサイトに「スペイン:首都:バルセロナ」と書いてあったけど、カタルーニャの独立を支持しているのか、スペインの歴史が内戦時のまま止まっているのか、どっちなんだろう。2013/04/10
nizimasu
1
バルセロナを擁するスペインのカタルーニャ地方。今や、スペインの経済の中心としてだけでなくバルサもある文化の中心地でもある。そこがここ最近、独立に向かって動き出しているのは、海外での旅行であったカタルーニャ人からきかされた。それから20年あまり。実際にカタルーニャを訪れてみた感覚を確かめるべく購入。その文化や歴史を知るにつれ、長い征服と抑圧の歴史があることを知る。そして華開いた現代。改めてナショナリズムが起きるのもわかる気がする。アイデェンティティとはなにか。翻って日本についても思いを馳せてしまう本だ2013/03/27
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