出版社内容情報
2013年は、ワーグナーの生誕200年、そして没後130年。その生涯と全オペラ(楽劇)、そして時代とともに変貌しつづける舞台の魅力を、人気音楽評論家があますところなく紹介する!
内容説明
ワーグナーに“正しい解釈”なんてない。あるのは、時代を呼吸しながら、変化を続ける舞台だけなのだ。歌手、指揮者、そして演出家によって、刺激的で挑発的な舞台が続々と創り続けられる今、作品と彼自身が持ち続ける“毒”と“魔力”を、ワーグナーに魅せられ、追求し続ける著者が熱く語る。生誕二〇〇年。ワーグナーの作品に触れ、胸をいっぱいにするために書かれた一冊。
目次
1 ワーグナーの舞台(現代のワーグナー;過去のワーグナー;いまの上演)
2 ワーグナー、作品とその時代(ワーグナーの作品;ワーグナーの時代)
著者等紹介
堀内修[ホリウチオサム]
1949年東京生まれ。音楽評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かす実
3
概観を掴む感じで読んだ。ワーグナー好きによって書かれた、ワーグナー好き或いはその予備軍のための本。こういうのは実際に好きな人によって語られた言葉がいちばん興味持って読めるので良い。後半の作品編でワーグナーの楽劇作品がどのような傾向をもって変遷してきたのか書かれており参考になった。こうしてちょっとずつ事前知識を入れた上で実際の鑑賞に臨みたい。しかしあれほど長大な脚本・複雑な音楽を、あれほど量産できたなんて常人ではない。音楽史に与えた影響はやっぱり計り知れない。2021/02/16
とびた
2
ワーグナー好きな人の為の本だと思う。入門書としては少しその色が濃いか。2014/07/23
どら猫さとっち
2
今年生誕200年を迎えるワーグナー案内。ワーグナー初心者はもちろん、すでに知っている人でも楽しめる。とはいっても、好きな人嫌いな人が分かれるのが多い。これを機に彼の世界に触れておきたい。2013/03/24
Teo
1
私がワーグナーを初めて通しで聞いたのはシェローが演出しはじめた頃のバイロイト。夕暮れ迫る中で車を運転しながらNHK FMから聞こえてきた(筈。当時のバイロイト音楽祭の放送時間帯は)神々の黄昏にそれこそ天啓を受けた様な感じで、それ以降どっぷりとはまり、高校時代の友人と久し振りに会った時に「いつのまにかXがワグネリアンになっていた」と言わしめた。でもかと言って濃いワグネリアンではない。ほどほど。そんな感じの私が結構楽しめた一冊。思えばクラシックの分野で今も尚再生産が行われている数少ない分野がワーグナーだろう。2013/02/12
長老みさわ/dutch
1
ワーグナー好きによる、ワーグナー好きのための、ワーグナー(再)入門書。ワーグナー好きならば、とうに知っている事柄も多いと思うが、体系的に一冊にまとめられてワーグナーの生涯と作品についてが判りやすく読める。“オペラは、舞台芸術は、何よりワーグナーの作品は、時代と共に変わりながら、劇場において作品として生まれ続けている。(略)作品を上演するのではない、上演が作品なのだから。ワーグナーは、現在もなお未来の芸術家であり続けている”は至言。2013/01/28