内容説明
一九三〇年代、日本軍占領下の上海。栄華を極め「東洋のパリ」と称されながら抗日テロ組織の巣窟と化していたその街で、日中を祖国として育ち、その類稀なる美貌ゆえに歴史的舞台への登場を宿命づけられた女性がいた。敵対する二つの祖国、愛する家族、禁断の恋―歴史の狭間に生きたその生から、魔都の闇を照らす。
目次
第1章 上海の百年
第2章 占領下の上海と和平工作
第3章 小野寺機関と間諜鄭蘋如
第4章 上海テロ工作
第5章 丁黙邨暗殺未遂事件
第6章 鄭蘋如処刑
第7章 松崎啓次の上海
第8章 林秀澄の上海
第9章 語り継がれる鄭蘋如
著者等紹介
高橋信也[タカハシシンヤ]
1951年、京都府生まれ。桐朋学園大学卒業後、安部公房スタジオ入団。(株)ニューアート西武常務取締役、(株)ニューアートディフュージョン専務取締役を経て、現在、森ビル株式会社取締役、上海秀仕観光会務有限公司董事。法政大学非常勤講師(2010‐11年)。美術誌の企画・編集、演劇・音楽公演のプロデュースをはじめ、長年にわたりアートプロデュースやアートマネジメントを手がける。近年は中国・上海におけるアート事業にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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波 環
2
美人はたいへんだなあ。というのはさておき、国民党共産党日本特に陸軍、この時期をちゃんと整理理解するにはもうちょっとかかるなあ。難しいなあ。著者は物書きのプロの人ではないみたいだけど、冷静な分析で不快なところがなかった。理解できない部分は私の基礎知識不足のせい。2014/03/04
鴨の足
1
上海での日本と国民党の工作が錯綜しているのが、簡単にですがよく分かります。 国民党の高官の娘で、日本人とのハーフである鄭蘋如、抗日スパイとしての信念がそれほどあったようには感じられませんでした。才色兼備で日本語も出来るというポジションが招いた結果かもしれません。2014/03/06
Sadato Kanai
0
映画のネタ本2011/08/18
ナターシャ
0
それぞれ関係してくる国の背景も理解しながら読まないとややこしくなるけど、この人とこの人は繋がっていたんだと新たな発見があった。2011/08/10
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