平凡社新書
最後の戦犯死刑囚―西村琢磨中将とある教誨師の記録

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  • サイズ 新書判/ページ数 262p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582855852
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0221

内容説明

責めに生き責めに死するは長たらむ人の途なり憾やはする―昭和二十六年六月十一日、赤道直下のマヌス島。オーストラリア軍による戦犯裁判で死刑判決を受け、無実の罪を背負い死んでいった元近衛師団長、西村琢磨中将。その最期を見届けた教誨師の手記を軸に知られざる悲劇を掘り起こす鎮魂の書。

目次

プロローグ―作家・角田房子の遺志
第1章 処刑前夜
第2章 軍人としての栄光と挫折
第3章 マヌス島裁判
第4章 嘆願
第5章 セカンド・タイガー
第6章 死刑台
エピローグ―最後の朝

著者等紹介

中田整一[ナカタセイイチ]
1941年生まれ。66年NHK入局。プロデューサーとして、現代史を中心としたドキュメンタリー番組の制作に携わる。文化庁芸術祭優秀作品賞、日本新聞協会賞、放送文化基金本賞など受賞多数。退局後は執筆に専念。2005年に刊行した『満州国皇帝の秘録―ラストエンペラーと「厳秘会見録」の謎』(幻戯書房)で第60回毎日出版文化賞、第35回吉田茂賞を受賞。10年、『トレイシー―日本兵捕虜秘密尋問所』(講談社)で第32回講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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おかむら

31
オーストラリアの戦犯裁判で死刑判決を受け、無実の罪で死んでいった近衛師団長西村中将の最期を見届けた教誨師の手記(娘さんが50年間秘蔵)からBC級裁判の真実に迫る。豪の報復感情による不当な裁判の実態。でも…。罪に問われた事件(パリットスロン虐殺)というのがあまりにも日本軍酷いなっていう事件なので、捕虜になった豪州兵100名以上を銃殺さらに生きたまま焼いたってって…。直接命令を下したわけではないのかもしれないけど、上官としての責任はあるわけで。オーストラリア人の気持ちの方に肩入れしたくなる。2019/09/04

金吾

23
西村中将の最後を見届けた浅井教誨師の手記をもとに書かれた本です。戦犯裁判は戦勝国の復讐的な要素もあり、罪がなくても死刑を受ける時があったと聞きますが、その数を少しでも減らすため、西村中将は指揮官として行動したことには感銘を受けました。山下大将との不和は初めて知りました。2022/02/13

犬養三千代

10
西村琢磨中将、オーストラリアのマヌス島で死刑に処せられた最後の人。その人の最後をみとった教誨師浅井堅教が残した日記をもとに書かれた一冊。重い限りなく重い。「責めに生き 責めに死するは長たらむ 人の途なり 憾みやはする」なといくつかの短歌を遺している。50年の封印を解かれて心揺さぶられる。2020/02/20

おらひらお

4
2011年初版。教誨師が記した記録に基づいた戦犯関係の本です。こんな本を読むと、時々出てくる「誰々はA級戦犯である」という言葉が、全くの無知から出ていることがよくわかります。まだ日本にはいろいろな資料が残っているのかもしれませんね。2012/06/08

うたまる

3
戦犯西村琢磨中将の処刑までの記録。罪名について冤罪臭く海外ジャーナリストによって疑義も呈されているというし、形式だけの裁判であり報復が主眼であったのもその通りと思う。背景として豪州内の日本人に対する差別感情や政治的思惑があったのも驚きではない。では何を感じたのかというと、戦犯たちが著者が言うほど潔くない、というもの。将校クラスなら自分の命令で二十歳前後の若者を数多く死なせてきたはず。こんな自己保身だらけの将校・参謀と比べ、亡き特攻隊員たちが気の毒でならない。卑怯者ほど生き残った日本に改めて嫌悪感を抱いた。2014/11/16

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