平凡社新書
“共和国”はグローバル化を超えられるか

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  • サイズ 新書判/ページ数 278p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582854848
  • NDC分類 313.7
  • Cコード C0231

内容説明

ネーションを偶像視する民族ナショナリズムとネーションを悪魔視する国民国家解体論に対抗し、国家なき市民社会論をも乗り越えて、「来るべき“共和国”」論の新しい流れを展望する。真の公共社会(Res Publica)を実現するために、“共和国”思想の核心を徹底討議する。

目次

1 共和国論の思想地図―討論の前提として(今、なぜ“共和国”か)
2 一九八九年という転回点―討論へ(四つの八九年―または西洋起源の立憲主義の世界展開にとってフランス革命がもつ深い意味;現代世界における共和国と市民権の思想;あるナショナル共和主義者の肖像)
3 第五共和制五〇年と“共和国”のゆくえ―討論(共和国とは何か;グローバル化と共和国の危機;世界共和国の課題;会場との討論)
4 共和国論の射程―討論から(二〇〇八年の日本に関する若干の考察;あらためて“共和国”を考える―三つの対抗関係の中で;共和国と文化的多様性)

著者等紹介

シュヴェヌマン,ジャン=ピエール[シュヴェヌマン,ジャンピエール][Chev`enement,Jean‐Pierre]
1939年ベルフォール市生まれ。73年から国民議会議員、81年から社会党内閣で大臣を歴任。現在MRC(共和派市民運動)党首、上院議員

樋口陽一[ヒグチヨウイチ]
1934年仙台市生まれ。憲法学者、日本学士院会員

三浦信孝[ミウラノブタカ]
1945年盛岡市生まれ。中央大学文学部教授。フランス研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

15
アメリカ的な利益追求至上主義へのアンチテーゼとしての共和国の原理を、その語源「レス・プブリカ(公共の事柄)」に立ちかえって考察。私利私欲を棚上げした公共的な議論を通じて普遍的な価値に到達できるはずという信念には敬服するが性善説的な楽観主義のような気もする。抑圧的なカトリックを否定したライシテ(非宗教性)が逆に抑圧の装置としてイスラム教徒のスカーフ禁止令に結びつく過程を見ると、万人に受け入れられる普遍的な価値などあるのだろうかと疑問に思う。多文化・多言語の社会の複数性と共和国の原理の両立の難しさ。2015/01/25

ちあき

1
フランスの高名な政治家と日本を代表する憲法学者が「共和国的なもの」の現在を論じあった対話に、いくつかの補論を付した形の新書。一見安易なつくりにみえるが議論の密度は高く、語りも文体も明晰そのものである。すぐれた見識をもち、それを明快に語ることばをもった政治家の存在が素朴にうらやましかった。ただ、グローバル金融への批判が声高すぎ雑音にきこえてしまうのは残念な点。ルソーの『社会契約論』を読む準備運動には、ドゥブレを迎える形で編まれた『思想としての〈共和国〉』の方が向いているように思う。2010/01/28

ふじ

0
再読の必要有り。予備知識が足りなさ過ぎて、しっかりとした理解は出来なかったが、今まで自分になかった視点から書かれており、新鮮で興味深かった。また、本書を読むことで、フランスでのスカーフ禁止の背景について少しわかった気がする。共和国は可能なのだろうか、それは頭の中の理想の国なのだろうか。また考えていきたいと思う。2015/11/03

ふら〜

0
共和国というフラットで普遍的な存在。それを維持しようとするための、いわば必要悪とも理解できる「健全な」「ナショナリズム」。まあいろいろ考えされられたし、言いたいこともあるけれど、満足度が高い本なのは間違いない。2011/02/05

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