平凡社新書
原始日本語のおもかげ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 191p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582854824
  • NDC分類 810.23
  • Cコード C0281

内容説明

茸がどうして「~タケ」なのか?次の飲み屋に向かうとき、かえるのはなぜ「カシ」なのか?身近な言葉の来歴をさぐってゆくと、文字以前、列島上に、まだ声としてだけ響いていたころからの言葉と文化のすがたが浮かびあがる。

目次

タケ(キノコ)にあたる
ナベでカユをたく
ツクシ・ホウシコ
コダマ・山ビコ
人とナル、風にナル
サメザメと泣く
熱くアソブ
カシをかえる
タカラ‐クジ
マクラというクラ
タスキとソデ
ハダシとクツ
フミ切り、値ブミ
明日をヨム

著者等紹介

木村紀子[キムラノリコ]
1943年生まれ。松山市出身。奈良大学名誉教授。専攻は言語文化論・意味論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

48
マツタケ・シイタケなど、キノコの名前にはタケがつく。木の子という、容易に分解できる意味をもつ名前よりも、分解しにくいタケの方が古いとみる。古語の意味はなかなか察することが難しいが、用例を集めることで、元の意味をある程度推測できるものらしい。ここにはそのような例を多く集めて、現代語からはちょっと想像しにくい、古くて素朴なコトバの世界を教えてくれる。3字の言葉は2+1か1+2に分解すると、不思議に元の意味が見えるから不思議。コダマも、コ+タマである。古い言葉は方言に残るので、おなじみの全国方言地図も援用。2024/05/03

bapaksejahtera

9
原始日本語とはどの時代のいかなる階層の言語を言うか気になる所であるが、無文字社会の我が国土での言語生活への接近を期待して読んだ。昔のTVCM「ドントポッチイ」程度の復元もがな、と考えたがそうはならなかった。万葉等の古典に使われ今日にも残る基本語彙を採り上げそれらからなる14の章に分けてエッセイ風な記述が続く。日本語の語彙が元来2音節で構成されることから、3音節の基本語は更に分解されて祖型からどのように変移していくかが推論される。残念ながら迂遠なこの方法しかないのかもしれない。読みがいのある新書であった。2021/02/28

はちめ

6
記憶力が皆無なのでこの手の本を何度でも新鮮に読むことができる。どの原始日本語も興味深いが、例えばクツという言葉が古くからほぼ変わらない意味で存在しているというのが意外感がある。ただ、そのクツがどのような形状であったかが分からないのが残念だ。考古学的な遺物はないのだろうか。 関連情報として昭和20年代までは学校の体育の授業は裸足だったというのも意外だ。そういえばあれが足洗い場だろうというのは思い浮かぶ。 ついでに、明治生まれの著者の母がのたまわった「くつあし」という語感が面白い。☆☆☆☆2018/10/13

ぼっこれあんにゃ

6
○日本古来の言葉をエッセイ風に紹介していく。そもそも外来語であった漢字から離れ、太古の日本に思いを馳せる内容には、ノスタルジックな魅力があふれている。キノコとタケ、カユの意味。古語の分布とその背景など、興味深い話が多かった。2015/10/27

Seizou Ikeda

6
文字が外国から入る以前の、この列島に住んでいた人々が、たぶん1~3音節をつないで会話をしていたと思われる言葉のなかで、今に残る響きを、記紀、万葉集、祝詞、催馬楽、源氏など、多彩な古典からぬきだして、わかりやすい読み物にして下さった本である。 タケ、クツ、コダマなどの語源が(なるほど)と思わせて、文字以前の言葉が 懐かしく感じる。 文章も、少しのユーモアも混じえながら、優しく、平安かな文字の文章を読んでいるような、優しさを感じた。2012/05/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/230446
  • ご注意事項

最近チェックした商品