内容説明
世界に名だたるイギリス人のシニシズムと皮肉好き。映画、小説、ミュージカル、コメディ、日本人にも馴染み深いもの多々あれど、「へそ曲がり」たちにはへそ曲がり流の親しみ方と愛し方がある!「大衆文化」から見る、あなたの知らないほんとうのイギリスの姿。
目次
第1章 皮肉屋たちの好きな「甘い作品」―『サウンド・オブ・ミュージック』、人気の秘密(イギリスの子どもは「ドレミの歌」で「ドレミ」を知る;イギリスの音楽教育 ほか)
第2章 王室の「軽蔑すべき」お気に入り―サヴォイ・オペラとイギリス人(サヴォイ・オペラは子ども向け?;とても教育上よいとは言えない ほか)
第3章 シェイクスピア、いかがわしき古典―原典、改作、そしてパロディ(イギリスの進学試験;シェイクスピアは猥褻だ ほか)
第4章 「田舎」はイギリス人の心のふるさと?―メディアの中の「幻のイギリス」(謎と陰謀うずまくカントリー・ハウス;アガサ・クリスティの描いた「思い出の中のイギリス」 ほか)
第5章 笑いは世につれ、階級につれ―移ろいゆくコメディ(コメディの二つの系統;ワーキング・クラス系コメディの「コックニー」 ほか)
著者等紹介
新井潤美[アライメグミ]
1961年生まれ。香港、日本、オランダおよびイギリスで教育を受け、東京大学大学院博士課程満期退学(比較文学比較文化専攻)。現在、中央大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ごへいもち
16
現代のイギリスことがまたわかった気が。現代のイギリス人がカントリーハウスでエドワード朝の貴族と使用人の生活を再現する面白いTV番組(話す言葉で階級がわかるので役割がそれなりに決まってくる)。スパムメールの語源も知った。★2011/07/20
ネムル
6
シニカルで皮肉屋ながらも、実は涙もろいという英国人の心性を語った好著。激甘メロドラマ『サウンド・オブ・ミュージック』の唄は登場人物たちのセリフの一部になっていないとして、それが甘さ(ストーリーと強く関係してない唄)とシニシズム(登場人物たちのドライな言動)との融合が、皮肉屋英国人にもウケた理由だの述べる第一章が特に面白い。モンティ・パイソン流のコメディが世を経るにつれ、どにょうに毒気が抜けていくかという指摘も、現代英国の姿を伝えてくれる。2015/02/25
viola
3
イギリスは紳士の国じゃないよ!という本が最近増えてきた気がします。流行なのでしょうか。 かるーく、1時間もかからずにさらっと読めるタイプの本。そりゃあ、スウィフトとかが活躍した国だもの、皮肉屋だよねぇ・・・。 同著者の『不機嫌なメアリー・ポピンズ』のほうが面白かったかな?2010/02/16
kokada_jnet
2
『不機嫌なメアリー・ポピンズ』がよかったので続けてよんだが。「階級」からイギリス社会/入りリス文化を見る、この著書ならではの本で面白かった。一点、コメディ番組『リトル・ブリテン』について、日本ではNHKBSで放送したとあるが。WOWOWの間違いでは・・。2012/07/22
コニコ@共楽
1
新井さんの本は、日本人がわかりにくいイギリスの微妙な階級社会をわかりやすく解説してくれているので、大変参考になります。今回も映画、テレビ番組をはじめ、いろいろな角度から例を挙げて楽しい読書でした。特に第4章の「『田舎』はイギリス人の心のふるさと?」で、私の憧れのカントリーハウスのことを述べていて興味深く読みました。2015/09/25