出版社内容情報
今なお、私たちを魅了してやまないオードリー・ヘップバーン。「ローマの休日」を足がかりに、オードリーという〈イメージ〉が放つ魅力に迫る。「ローマの休日」が十倍楽しくなる一冊。
内容説明
ベスパでローマの街中を疾走する姿。「真実の口」に手を入れ、慌てふためく素振り。スペイン階段でアイスクリームを口にするシーン―。これほど豊かなイメージを喚起する映画が他にあるだろうか?『ローマの休日』を足がかりに、オードリーが放出する魅力を多面的に考察する。イメージと身体をめぐる「憧れの映像詩学」の試み。
目次
はじめに―「憧れ」の映像詩学の試み
第1章 舞い降りてきた『ローマの休日』
第2章 作品のかたち
第3章 「妖精」と呼ばれたスター
第4章 足先のレッスン
第5章 フォトグラフィック、シネマティック
第6章 スタイルの身体、そして身体の戸惑い
第7章 オードリーの三つの身体
終章 陽の光、そして瞳のディアレクティケ
著者等紹介
北野圭介[キタノケイスケ]
1963年大阪府生まれ。ニューヨーク大学大学院映画研究科博士課程中途退学。ニューヨーク大学、ニュージャージー州立大学ラトカーズ校などで教える。立命館大学映像学部教授(映画理論、表象文化論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei-zu
17
「ローマの休日」が優れているのは、そのロマンチックなストーリーからだけではない。 映画が映像的現象として捕らえられるオードリーは、デビューしたばかりの美少女として、比類なきスターとして、物語の中の可憐な王女として、その姿をフィルムに留めているという。 このような「奇跡」があるから、映画は楽しい。2021/12/09
和草(にこぐさ)
8
「オードリーはなぜベスパに乗るのか」の副題はいまいち的をえていない感じ。全体的に文章が散漫でまとまりにかけていたような気がする。2013/02/02
ポチ
3
「ローマの休日」の見所やトリビアネタをマニアックに扱った著書と期待しましたが違ったかも……。 「足先の演技」や「なぜアン王女は宮殿に戻ったか」などの解説、同世代のスター、グレース・ケリーやマリリン・モンローとの比較は面白いです。 しかし著者の「映画論」のような部分や、別作品の男性俳優に関する長い記述は「ローマの休日」とは関係ないのでは? 途中から読み飛ばしました。著者の映画論や映画に対する知識は分かりますが、贅肉は思い切ってそぎ落として欲しかったです。 2013/10/24
ひろ
3
何が言いたいのかさっぱり分からない。だから何?の繰り返し。この映画が好きらしいけれど、これほど理屈をこねくり回さないと伝わらないか?わざわざ分かりにくくする典型的な学者本。一般人は読むべきでない。新書で出す意味があるとはとても思えない。2013/05/21
suzuki-takefumi
3
「ローマの休日」というのが、なぜ長い間愛され続けているのか、と言うことを様々な……映画史的な側面、映画と演劇、オードリーというキャラクター……視点から見ていった一冊、らしい。どうもぴんとこなかった。2011/05/13