内容説明
結願を目指し、ひたすら歩く。遍路は苦しい、そして楽しい。お大師様と風景と人との出会い。立ち止まっては、ふと人生を考える。けれど、さまざまな困難もつきもの。お遍路さんに失敗しないため、一歩先を歩いた著者による心温まるアドバイスの花束。
目次
第1章 歩む(何を持って行くべきか;菅笠は屋根である ほか)
第2章 食う(なかなか難儀な良心市;うらめしや自動販売機 ほか)
第3章 寝る(宿ことごとく五つ星;マンションの秘密 ほか)
第4章 会う(婆さんへの道;マムシの効能 ほか)
著者等紹介
加賀山耕一[カガヤマコウイチ]
1956年東京都生まれ。ノンフィクション作家。79年と93年に2度の歩き遍路を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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つちのこ
39
二度の歩き遍路の経験をもとにしたエッセイ。1979年と96年の記録はいささか古いが、【歩む・食う・寝る・会う】の視点からみた歩き遍路を取り巻く環境は、それほど変わっていないと思われる。かつて、四国に根強く残っていたお接待文化を鑑みると、私の昨年の経験では数えるほどしかなかった記憶をもってしても、お接待は少なくなってきているのではないかと思う。大げさかもしれないが、それこそ“お接待攻め”に遭った著者のエピソードは隔世の感がする。サブタイトルの「美人をたずねて三百里」。これは軽い。改題したほうがいいと思うが。2024/08/28
秋乃みかく
6
★★★☆☆ 歩き遍路を経験したノンフィクション作家による遍路あれこれ。歩き遍路をしたい方には少しは参考になるかも?お接待なんて歩き遍路ならではなので、へ~と思いながら読みました(私は車遍路だったので)。一番最後の和尚さんの話は良かった。和尚さんの暮らしも大変なのですね。。こんな方がいらっしゃるとは…心が洗われました(^^)2015/05/15
Kenichi Shoda
0
なんかサブタイトルで損しているんじゃないかという気がする。そもそもワンエピソードのタイトルだし、美人がさっき通りすぎたよー、あんたの足なら明日には追いつくんじゃないかと地元の人に言われ一生懸命歩いてしまうが行けども行けども出会わず。これはそういう元気を出させるトークじゃないかという感想が微笑ましい。 内容は筆者がお遍路したときの思い出を振り返りつつのエッセイ。良心宿、お接待などお遍路ならではの文化解説が面白かった。 歩き遍路をするから偉いということもなく、お遍路する事情などない方が幸せなのかもしれない。2015/11/10