内容説明
一八一二年夏、二人の巨匠はボヘミアで出会う。ゲーテ六三歳、ワイマル公国の枢密顧問官として社交に余念がない。ベートーヴェン四一歳、“不滅の恋人”との恋に心を高ぶらせていた。そして時代は、ナポレオンの没落を前にして激しく動いている。本書は、政治的・社会的状況を丹念に踏まえ、巨匠たちの交響する世界を臨場感豊かに描写する。手紙、日記、友人たちの証言など資料を駆使した、まったく新しい視点による芸術家像がここに誕生。
目次
第1章 対照的な二人の巨匠
第2章 青春の惑いのとき―ゲーテ
第3章 宮廷音楽家からの出発―ベートーヴェン
第4章 成熟のとき―ゲーテ
第5章 両巨匠をつなぐもの
第6章 夏の保養地ボヘミア
第7章 世紀の出会い
第8章 知られざる幸福な再会
第9章 二つの世界の交響
第10章 ゲーテの沈黙とベートーヴェンの政治意識
著者等紹介
青木やよひ[アオキヤヨイ]
東京薬学専門学校(現東京薬科大学)卒業後出版社勤務。『ロマン・ロラン全集』(みすず書房)の編集に携わるかたわら、片山敏彦の知遇を得て文筆活動をはじめる。1970年代以降、大学や市民講座で女性学を講じながらベートーヴェン研究に取り組む
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