平凡社新書
戦国鉄砲・傭兵隊―天下人に逆らった紀州雑賀衆

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  • サイズ 新書判/ページ数 231p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582852363
  • NDC分類 216.6
  • Cコード C0221

内容説明

紀州雑賀荘を根拠地とした地侍集団「雑賀衆」。早くから大量の鉄砲を使いこなす戦術に長けていた彼らは、その技術を駆使して自らの領土を防衛するばかりでなく、石山本願寺や戦国大名の傭兵として各地を転戦した。信長・秀吉・家康などの天下人権力とは一線を画し、独立性を最後まで保ち続けた雑賀衆とはどのような人々だったのか。鈴木孫一や佐武伊賀守という領袖の真実の姿をはじめ、戦国をたくましく生き抜いた雑賀衆の興亡の奇跡を描く。

目次

第1章 雑賀の土地と人
第2章 雑賀衆とはなにか―その虚と実
第3章 雑賀と鉄砲
第4章 雑賀衆と傭兵活動
第5章 石山合戦と雑賀衆
第6章 鈴木孫一と「雑賀孫市」
第7章 傭兵隊長・佐武伊賀守
第8章 雑賀衆の壊滅とその後
第9章 再び雑賀衆とはなんだったのか

著者等紹介

鈴木真哉[スズキマサヤ]
1936年横浜市生まれ。中央大学法学部卒業。防衛庁、神奈川県等に勤務し、在職中から歴史、伝記などの研究を続ける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

獺祭魚の食客@鯨鯢

67
「雑賀」と書き「さいか」と読みます。私の地元神奈川県で「さいか屋」デパートとして親しまれてきましたが惜しまれつつ閉店し、アンテナショップとして再開しました。ひと頃はティファニーも出店し華やかさを持っていました。  司馬遼太郎氏の作品にも登場し、戦国時代からの「気骨」ある集団の末裔が経営するのを感慨深く見ていました。  各地の地元デパートの不振はハレがましい着飾って出掛ける場所だったものが悪い意味で大衆化し過ぎた結果だと思います。

Y2K☮

39
鉄砲を駆使して信長や秀吉と戦った紀州雑賀衆。司馬遼太郎「尻啖え孫市」は完全な創作だが、本書は一族の末裔による歴史研究。主要人物の一人である鈴木孫一(雑賀孫市は本名ではない)は後に信長に近づき、秀吉に仕えた。でも多くの雑賀衆は秀吉と戦い、そうかと思えば大阪の陣で豊臣側に与した者もいる。要は中央集権を嫌った反体制、独立志向の武闘派揃い。面白い。ところで史実と歴史小説の関係は格闘技とプロレスのそれに似ている。前者の下地が弱い後者は楽しめても一定以上に熱くなれない。やはり4割位はガチのノンフィクションじゃないと。2017/04/02

Y2K☮

26
貴重な史料。これは小説にしたくなる。魅力的な人たちなのに絶妙に情報が足りないから空想が快く迸るのだろう。司馬遼太郎「尻啖え孫市」は有名だが谷津矢車「三人孫市」も気になる。反中央集権的で戦に強い割拠主義集団・雑賀衆。しかも決して一枚岩ではなく、各々が各々の考えに従って生きている(だから同じ雑賀衆が敵味方に分かれて戦うことも少なくない)。たとえば本願寺に協力して長年信長を苦しめた鈴木孫一はのちに秀吉に仕え、人質を差し出している。長いものに巻かれるには相応の理由があったはず。こんな風に空想が膨らむだけで楽しい。2020/10/15

Abercrombie

4
史料がない? あっても信用できない? だから想像で補うしかない? 司馬遼太郎「尻啖え孫市」の痛快なイメージを覆す、ナイナイ尽しの雑賀衆&鈴木孫市論。ちょっとがっかりな内容だったなあ。2023/06/15

Y2K☮

1
昔遊んだ「信長の野望・戦国群雄伝」で紀伊に鈴木佐太夫という大名がいた。弱小なんだけど鉄砲隊が滅法強くて「何で?」と思っていた。紀伊の大名は別シリーズでは堀内なんとかだったり雑賀孫市だったりで、これも?だった。この一冊で一連の謎が氷解した。雑賀衆いいね。どこまでも意地っ張りな反体制の個性派集団だけど、クレバーでスニーキーな計算高さも垣間見える。中央集権への反発という点で信長や秀吉に刃向いつつリーダー格の鈴木孫一は本願寺降伏後は体制側についている点など真田家を彷彿させる。もう少し色々読んでみたいね。2013/03/26

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