内容説明
法科大学院や裁判員制度の導入などで日本の裁判が変わろうとしているかに見える。しかし、裁判は本当に国民・市民の権利を守ってくれるものなのか。国立市の景観訴訟から宇都宮病院事件、津地鎮祭事件、さらにロス疑惑事件から和歌山カレー事件に至るまで、戦後の民事事件と刑事事件の代表的な判例から、「お上」が支配する裁判制度の問題点を鋭く衝き、真の司法制度改革とは何かを問う。
目次
プロローグ 「お願いです、控訴しないでください!」
第1章 民の事件とお上の事件(街の景観は守られるか―「小田急訴訟」「国立景観訴訟」;人は生まれながらに差別される―「ある遺産相続事件」;不当医療を正当化した司法―「宇都宮病院事件・民事訴訟」 ほか)
第2章 これでいいのか刑事裁判(無実者の拘禁を認める裁判所―「東電OL殺人事件」「覚醒剤所持違反事件」;共犯者自白の恐怖―「ロス疑惑・殴打事件」「松川事件」「安田弁護士事件」;正当防衛とは―「服部君事件」と対照的な四つの正当防衛事件 ほか)
第3章 裁判という国家統治のシステム(裁判は市民管理の「道具」か;国によって異なる裁判の制度と歴史;日本の司法制度は改善されるか)
著者等紹介
佐藤友之[サトウトモユキ]
1936年群馬県生まれ。東京経済大学卒業。雑誌記者などを経て、現在、フリーのジャーナリスト
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