内容説明
京都守護職・会津藩主松平容保配下の治安部隊として幕末動乱の京都を暴れ回った新選組。彼らは幕府に飼われた武装集団だったのか、それとも自らの剣の力を信じた佐幕の志士だったのか。戊辰戦争を最後まで戦い抜きながらも同じく敗者・賊軍となった会津藩との関わりを軸にして、新選組の実態と悲劇の軌跡、そして、幕末・維新の人間像を描き出す。
目次
第1章 新選組の誕生
第2章 京都守護職とは
第3章 新選組を変えた池田屋事件
第4章 禁門の変、御所をめぐる激突
第5章 新選組への厳しい世評
第6章 しのびよる歴史の大転換
第7章 大政奉還と戊辰戦争
著者等紹介
星亮一[ホシリョウイチ]
1935年仙台市生まれ。東北大学文学部国史学科卒業。日本大学大学院総合社会情報研究科修了。作家、東北福祉大学兼任講師
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感想・レビュー
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うえ
8
貰い本。「京都市左京区に…岩倉実相院がある…そこに仕える坊官が260年にわたって書き続けた膨大な『実相院日記』があり…一橋慶喜も松平容保もよく登場していた」慶応元年の記述。「近ごろ成獣が美濃の山中から出て来た。東国の深山で成長し、田畑を踏み荒らし、武蔵野に出て、獏という獣と馴れ合い、ちかごろ叡山の麓に住み、その形は馬のごとく鹿のごとくである」この成獣は慶喜を指し、大馬鹿者とけなされていた。京都の人は関東や東北を低く見ており、慶喜も容保もはじめから人気はなかった。加えて会津の侍は遊びが下手で金払いも悪い」2019/04/28
Myan2Myan
6
会津旅行に行く前に会津藩と新選組の関係について、すっきり整理しておきたくて、探してきた本。非常にわかりやすく、もやぁ〜としていたものが晴れました。2015/08/31
金目
5
新選組の結成から壊滅までが概ね分かりやすくまとめてあった。幕末は本当に幕府も朝廷も会津もみんなどん詰まりで、諸外国の脅威を直に感じており八月十八日の政変で保守派が一掃されてた長州や、その時々で上手いこと立場を切り替えられた薩摩が、無理矢理世直しをしなきゃいけなかったのかな、とか。やりたくもない京都守護職をやらされた上、貧乏で遊ぶ金もなかったから民衆からの目が冷ややかだったという会津。作者の言う通り、もっと早く辞職できていれば良かったのに。新選組はそんな時代に生まれた徒花だったということか2024/08/28
雲をみるひと
5
新選組と会津藩の幕末期の来歴について持ち上げず批判もせず事実に忠実に綴った本。全体的によく研究されていると思う。新選組に対して特別な感情がない自分にとっては、作中で指摘されている当時の世間の新選組に対する評価や朝敵にならざるを得なかった会津藩の事情も納得いくものだった。2018/05/23
蘇我クラフト
3
図書館でうろついたところにいた本。2013/11/05
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