平凡社選書
牧民の思想―江戸の治者意識

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  • サイズ B6判/ページ数 390p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582842296
  • NDC分類 311.21
  • Cコード C0021

内容説明

幕府の大老から藩の代官まで、中国伝来の『牧民忠告』を読んで考えた。譜代大名として徳川体制を護持するには?ありうべき将軍像とは?饑饉の時代に「民を牧(やしな)う」明君と、その手足たる民政官とは?書物の読み替えをたどることで見えてくる、近世領主層の治政観の変遷。

目次

序章 「平和」の世と「牧民之書」
第1章 「領主」の思想―近世前期・『牧民後判』・伊勢桑名藩主松平定綱の領主思想
第2章 あらまほしき将軍の治―「天和の治」・『牧民忠告諺解』・大老堀田正俊
第3章 朝鮮本の影響―近世日本の政治文化・密陽本と『吏民秘要諺解』『民間備荒録』
第4章 藩政改革の思想―天明期・『和語牧民忠告』・越後長岡藩家老山本老迂斎
第5章 代官の政治―天明期・『牧民忠告解』・尾張藩参政人見〓(き)邑と大代官樋口好古
第6章 「興国」のために―幕末・『牧民心鑑解』『牧民心鑑訳解』
終章 「牧民之書」と近代化

著者等紹介

小川和也[オガワカズナリ]
1964年、群馬県館林市生まれ。成蹊大学文学部卒業。編集者を経て、一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。専攻、日本近代史・日本思想史。現在、一橋大学大学院社会学研究科特任講師、桜美林大学国際学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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bapaksejahtera

12
江戸初期林羅山や山鹿素行松平定綱等により領主心得と着目された「牧民忠告」。元代地方官の執政手引として着任から任期後時引継ぎ迄の政務を詳細に指南する内容である。我が国へは朝鮮密陽本が招来された。近世中後期各藩は災害飢餓に襲われるや、本書は農書と併せて多くの翻訳書が出版され、現場執行官や地域指導層により広く読まれる。幕末には尊徳仕法とも連動、明治政府にも継承される。民衆を牛馬扱いする物と福沢諭吉には弾劾されるが、欧化への反発や朝鮮施策等で生き残る。単なる領民支配の道具と思考停止せず我が国民思想史を考える良書。2023/03/27

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