平凡社選書
未完のマルクス―全集プロジェクトと二〇世紀

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582842173
  • NDC分類 309.3
  • Cコード C0030

内容説明

マルクスのテキストは、彼の死とともに数奇な運命を歩み始める。「教典」にまで神格化された彼のテキストは、その保存と解釈をめぐって、多くの研究者・研究機関の栄光と悲惨を彩りながら、戦争と革命の世紀を生き延びる。学問と政治の狭間を激しく往還したマルクスのテキストを、世紀を越えて、もう一度学問として読み、思想として生かすことは可能なのだろうか。気鋭のマルクス研究者が、21世紀のマルクスの思想の可能性を問うために、マルクスのテキストが辿った道を、20世紀のマルクス研究の意味を探りながら振り返る。

目次

マルクスの死
エンゲルスの死と遺稿
ドイツ社会民主党とマルクスの遺稿
『マルクス伝』の著者フランツ・メーリング
『エンゲルス伝』の著者グスタフ・マイヤー
処刑された所長リャザノフ―マルクス・エンゲルス研究所
ハンス・シュタインとモスクワのドイツ人
ガブリエーレ・シュタンベルガーの思い出
社会民主党アルヒーフとアムステルダム社会史国際研究所
フランクフルト社会研究所
大原社会問題研究所―日本人と『マルクス・エンゲルス全集』
ソ連から追放されたニコラエフスキー
マルクスの出版社、ディーツ
マクシミリアン・リュベル
戦後のマルクス学の研究者たち
東ドイツのマルクス主義=レーニン主義研究所
マルクス・メモリアルとマルクス主義の覇権凍瘡
『マルクス・エンゲルス全集』と各国への普及

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青柳

3
マルクス・エンゲルスの遺した原稿・遺稿がどのような経過を辿り、我々の読むマルエン全集となっているかを解説した単行本です。マルクス思想を追うというよりは、遺稿集・全集(新旧MEGA版)の製作過程を追った本といった印象です。各国におけるマルエン全集の受容であったり、国ごとの翻訳作業をかなり細かく解説されています。非常にマニアックかつニッチな内容なので、読者層としても研究者や活動家の方々が読むような本だと思いました。一般向けの解説本ではないです。

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