内容説明
近年の世界的なケルトへの関心の高まりは、いったい何を物語るのか。また1997年秋、国民投票で二代つづけて女性大統領を選出したアイルランドとは、どのような社会であり、いかなる可能性と問題点を提起しているのか。本書では、古代ケルト文化の伝統から、カトリックの因習、近代の移民や独立問題、そして現代の文学や大衆文化に至るまで、アイルランドの精神史を「女性」という観点から改めて問い直す。時代と歴史を超えた複合的なケルトの娘たちの「声」に迫ろうとする、ユニークなアイルランド研究の試みである。
目次
序章 アイルランド女性とケルト精神の現在
第1章 古代ケルト神話の女性像
第2章 カトリック教会の女性観
第3章 ジャガイモ大飢饉と移民女性
第4章 ケルトへの回帰
終章 「ケルトの風」を追って