内容説明
国家を治めるには何事もないのが第一だ、これが王朝貴族に共通した政治的意識であった。このままいつまでも安泰であるはずが、思わぬ外からの圧力によって破砕されていく。来るべき中世を担う人々の動きは支配体制の転換を余儀なくさせるのだが、寺院間の相論は関白頼通の時代にすでに強烈な打撃を天皇や関白に与えていた。
目次
1 頼通摂政となる
2 頼通をめぐる女性と諸子
3 父道長の死
4 後期王朝国家体制への転換
5 頼通関白を辞す
6 後三条天皇の時代
7 後三条・頼通・彰子・教通あいついで世を去る
8 その後
王朝貴族の国政観と末代観