出版社内容情報
小学校図書館司書のまふみは製本工房が併設されたアパートに暮らすなかでさまざまな人と出会い、製本の世界に触れ、本が人の心を救いうることを学んでいく。本好きに贈る心温まる物語。
内容説明
司法書士になる夢をあきらめたまふみは非正規職員の図書館司書として母校の小学校に赴任するため、実家近くのアパート・リーブル荘に引っ越してきた。ルリユール工房を併設するリーブル荘には、世界的な製本家として活躍する綺堂瀧子親方とその孫で天才製本家の由良子が暮らしていた。元々本が好きだったまふみは手製本の美しさに魅せられていく―。
著者等紹介
坂本葵[サカモトアオイ]
1983年愛知県生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。大学の非常勤講師の傍ら執筆活動を始める。『吉祥寺の百日恋』(2014年/新潮社)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
106
良いお話でした。製本によって人生を変えられた人たちの温かい物語。ぜひ本が大好きな人、本に影響を与えられてきた人にお勧めしたい1冊。この本を読むまで製本についてそれ程深く考えたことはなかったし、書店に並んでいる本しか見たことがなかった。しかし、この本を読んでいるだけで製本されている場面をはっきりとイメージすることができた気がして、より本に対する愛情が深まったように感じた。主人公のまふみは司法書士の夢をあきらめたけれど、良い人生の道を見つける事ができて幸せだと思った。2025/05/04
シナモン
103
製本工房が併設されたアパート、いいな。 本の再生と心の再生。紙の本ってやっぱり素敵だなって思わせてくれる物語でした。「密やかな結晶」、「プラテーロとわたし」読んでみたい。 📝失敗しないうちは、先に進むことなんかできやしないから2025/05/13
pohcho
65
司法書士になる夢をあきらめた主人公まふみは、シェアハウス「リーブル荘」で暮らしながら、母校の小学校の図書館司書として働いている。ルリユールとはフランス語で手仕事の製本のこと。リーブル荘の大屋さんは有名な製本家。孫娘と二人で「ルリユール工房」を営んでいて、さまざまな製本の話が出てくるのだが、読み進めるうちに紙の本がまるで宝石のように感じられてくる。本を交換する古本カフェは楽しいし、本と本の結婚は本の概念が変わる気がした。本好きに嬉しい一冊。2025/06/17
もぐたん
60
司法試験を諦め、学校で司書として働くまふみが出会う、生きづらさを抱えた人たち。彼らが少しずつ、小さなきっかけで可能性を広げていくのには、まふみが住むアパートの敷地内にあるルリユール工房の存在が大きい。手仕事の製本を通して自分の中のわだかまりも思い出として昇華したまふみの、未来への余白が感じられて嬉しくなる。静かに進む物語に、安心して身を委ねられる一冊。★★★☆☆2025/08/23
ぼっちゃん
49
『【202506ダ・ヴィンチのプラチナ本】司法書士になる夢をあきらめた主人公が引っ越した先の大家さんが製本家で、その孫も製本の仕事はするが部屋に閉じこもったまま、そのような人たちの再生の物語。ルリユールとはもう一度綴じ直すの意味で製本を通して区切りをつけて一歩踏み出そうとする話でタイトル通りの話で、糊を使わず綴じ直しやすいようなシークレット・ベルギー装などの綴り方があるなど本への愛が詰まった作品でした。2025/05/10