出版社内容情報
ユダヤ教とシオニズム、ホロコーストの政治利用、欧米・日本の植民地主義、オスロ合意の欺瞞、PLOの挫折……パレスチナ/イスラエル問題が根っこからわかる。
内容説明
パレスチナの地で行われてきた暴力の原理を知る。イスラエルという国は何なのか?ユダヤ教とシオニズム、ホロコーストの政治利用、欧米の植民地主義、オスロ合意の欺瞞、”10.7”蜂起、ガザ地区の未来図…いま私たちがパレスチナ問題を考えるための基本書。
目次
第1部 19世紀~1948年 イスラエルはどのようにしてつくられたのか(シオニズムはどのように誕生したのか;植民地主義とシオニズムの関係とは;シオニズムの物語とは ほか)
第2部 1948年~90年代 イスラエルはどんな国か 占領政策、オスロ合意まで(建国されたイスラエルはどんなところか;イスラエルの産業とは;イスラエルには誰が住んでいるのか ほか)
第3部 2000年代~ オスロ合意後のイスラエルはどうなっているか(第2次インティファーダ後の一方的政策とは;イスラエルはなぜハマースを敵視するのか;パレスチナの民意へのイスラエルの反応は ほか)
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイティ
31
サラ・ロイの『なぜガザなのか』で一番残ったのが早尾さんの文章だった。ご自身も使命感に駆られてか、著者が続々出ていてまずは手に取った一冊。入門編としてこれまでの流れと現状、今後が掴めるが、それに留まらず誤認識されていること、意識を向けるべきこともクローズアップされていて、早尾さんの熱量を感じる。パレスチナ問題は、ヨーロッパの植民地主義、人種主義、国民国家主義の融合。パレスチナ人が戦っているのは、植民地権力に対する抵抗だ。さまざまな思想家や研究者の言及を取り上げているのも良かった。多くの人に読まれて欲しい。2025/06/24
鯖
18
パレスチナ問題はイスラエルの問題であるという立場から、オスロ合意やガザ虐殺、アメリカはなぜイスラエルを支持するのか、西岸地区とガザ地区に分けたのは何故か等について30の項目で取り上げる。大学での講義が元になっているのでわかりやすくてよい。分からないのは解決方法だけ。私たちにできることはが結びで、目の前の人権問題を大事にする政治文化を作るため投票に行きましょうなのはその通りなんですけど、そりゃそうなんだけど、…ンアーと毎度なってしまうやつであった。2025/04/03
スイ
18
とてもわかりやすいので、広く読まれてほしい。 パレスチナで起きていることは、宗教対立ではない、ということ。 イスラエルが武器の性能をパレスチナで「デモンストレーション」し、各国がそれを見て購入を検討するなんて、どこまでグロテスクな話だろう。 虐殺も植民地主義も終わらせないと。 2025/03/24
garth
11
「イスラエルによるガザ攻撃は、まさに西洋中心主義的な植民地主義的世界を守るための戦争なのです」わかりやすく読みやすいので広くおすすめ。2025/07/01
takeapple
6
イスラエルがやっていることは全て酷いこと。こんな国家の存在を許している国際社会って何?と思って読んでみたが、今まで支持できるのではないかと思っていたラビン元首相もオスロ合意もPLOもアラファトも、ファタハもダメだと言うことだった。ハマスが実効支配しているという言い方自体が、シオニズムの色眼鏡によって曇らされていると言うことだ。正義を貫徹するには、パレスチナ全土で真の民主主義が確立され、ユダヤ人とアラブ人の共存が必要ということだが、シオニストは追放すべき、ネタニヤフは裁かれるべきだと思う。2025/06/19