出版社内容情報
久保田万太郎が小説、俳句、近代演劇、古典芸能などの各ジャンルに遺した多彩な業績や交流関係から人間像を詳細に掘り下げつつ、現代における万太郎研究を紹介する。
内容説明
小説家/劇作家・演出家/俳人。文学が輝いていた時代、文壇、劇界のボスにして、心やさしい静かな抒情詩人、その多面的で特異な力をいま、再び、新たに、読み直し、呼び戻す文集の試み。
目次
第1部 文学の巨人・久保田万太郎(「三田文学」と久保田万太郎;やつしの美の大家―近代俳句における万太郎の位置;久保田万太郎の横断性―新派、喜多村緑郎との関わりを中心に;若き日の万太郎が見た能;久保田万太郎とその文学の今日性―「浅草」という名の「場所の霊」に捧げられた鎮魂・慰霊の挽歌)
第2部 万太郎を知る(交友録;万太郎の東京;小説から演劇をつくる―久保田万太郎・脚色の足跡;一九九四年新年前後における久保田万太郎の上海体験;「長」としての久保田万太郎―戦時情報統制化における文学)
第3部 万太郎再発見(情緒に溶かされる戦争―戯曲「月の下」から「霙ふる」へ;演劇の新と旧との間で―久保田万太郎と小山内薫;語り合う女性たち―久保田万太郎「波しぶき」を中心に;“運命”の作り方―万太郎小説の仕掛け;万太郎、俳句に帰る―「藻の花」、「俳諧雑誌」にみる大正期前半の足跡;万太郎の戦時下上海への訪問と観劇―愛国劇「文天祥」をめぐって)
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- 和書
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