出版社内容情報
第二次大戦中、絵筆をもった女性画家たちの足跡を追う。長谷川春子や桂ゆき、三岸節子、そして女流画家奉公隊……。彼女たちは何をどう描いたのか。近年の調査で明らかになった事項も収録。
内容説明
長谷川春子、三岸節子、桂ゆき、女流美術家奉公隊…。これまで語られることが少なかった戦時下の女性画家たちの足跡。
目次
第1章 女子美術教育のはじまり
第2章 大正・昭和期の女性画家たちのネットワーク
第3章 女性画家たちが描いたもの
第4章 開戦、女性画家たちの行動
第5章 “大東亜戦皇国婦女皆働之図”
第6章 彼女らの足跡
第7章 敗戦。女性画家たちのその後
著者等紹介
吉良智子[キラトモコ]
1974年東京都生まれ。98年日本女子大学人間社会学部卒業。2000年学習院大学大学院人文科学研究科修了。2005~08年神奈川県立近代美術館非常勤学芸員。10年千葉大学大学院人文社会科学研究科修了。博士(文学)。現在、日本女子大学学術研究員、東洋英和女学院大学、京都芸術大学、実践女子大学他非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
15
大正・昭和期の女性画家たちの歴史を戦争中に彼女たちが描いた「大東亜戦皇国婦女皆働之図」という大作を通じて解説した一冊。当時、女性が己が意思を持って絵を描くことの意味。それが戦争という時代の中でどのように表れたかということ。単なるプロパガンダ、という一言では表しきれないものがある。当事者の方へのインタビューも収録されていたのがとても良かった。2025/10/21
どら猫さとっち
6
日本画壇に女性がいるのは、今では当たり前だけど、戦前は偏見もバッシングも多かった。知っている限り、上村松園や片岡球子、本書に登場する三岸節子が個人的に挙げられる。本書では、女性画家が社会にどう受け入れられ、活躍していったかがわかる。なかでも「大東亜戦皇国婦女皆働之図」は圧巻である。これほど大規模な絵画を描き、戦時に受け入れられたのは驚くばかりである。それでも彼女たちは、自由に描きたかった。本書では、その無念さえ伺える。2023/11/22




