出版社内容情報
花王プラザ人気連載、14人の人気作家が一日の3つの時間帯(朝、夕暮れ、午後11時)を絶妙に描いたエッセイアンソロジー。贈り物にも最適な一冊。
「朝」のひととき
三浦しをん「目覚めたときが朝」
道尾秀介「こうして背表紙は増えていく」
西加奈子「間違いなく朝は」
角田光代「朝の損得」
重松清「指一本、指二本……」
「夕暮れ」のひととき
川上未映子「夕暮れの、どんな空を見ても」
森絵都「暮れゆく空を仰ぐ」
池澤夏樹「長い夕暮れ、短い夕暮れ」
綿矢りさ「夕暮れの諦め」
「午後11時」のひととき
吉本ばなな「そわそわ、しみじみ」
高橋源一郎「ラジオの時間」
村山由佳「上機嫌なままで」
小川洋子「分かれ道」
浅田次郎「午後十一時という非常」
内容説明
14人の人気作家が3つの時間帯を描くとっておきのエッセイアンソロジー。人生を彩る“時”がある。
目次
「朝」のひととき(目覚めたときが朝(三浦しをん)
こうして背表紙は増えていく(道尾秀介)
間違いなく朝は(西加奈子)
朝の損得(角田光代)
指一本、指二本……(重松清))
「夕暮れ」のひととき(夕暮れの、どんな空を見ても(川上未映子)
暮れゆく空を仰ぐ(森絵都)
長い夕暮れ、短い夕暮れ(池澤夏樹)
夕暮れの諦め(綿矢りさ))
「午後十一時」のひととき(そわそわ、しみじみ(吉本ばなな)
ラジオの時間(高橋源一郎)
上機嫌なままで(村山由佳)
分かれ道(小川洋子)
午後十一時という非常(浅田次郎))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
179
とあるひととき・・・自分の中で、いつだろう?ここで取り上げられている中では、断然、朝だ。自分の中の生活リズムから考えても、そこが占める割合が大きい。そんなひとときを巡る、柔らかな文章が、こころの凝りをほぐしてくれる。2022/07/19
いつでも母さん
176
とあるひととき・・14人の作家さんが朝、夕暮れ、午後十一時を綴るエッセイアンソロジー。優しい装画と挿絵に、1編1編が沁みて私の心も凪てくるのが心地良かった。苦手な角田さんに頷きながらにんまりとしてしまう。そう!私も朝の時間帯が好きなのだ(まぁ私は早朝ランニングはしないけれど)ほろっとしたり、懐かしかったり感心したり・・彩とりどりの14編、毎日寝る前に少しずつ読んだ。2022/06/17
mukimi
122
名だたる作家たちによる時間帯ごとのエッセイ集。それぞれの心の中にある時間帯はそれぞれの人生の記憶と結びついて様々な感情を呼び覚ます。1日の中で一番文章にしたためたくなる時間帯は社会人ペルソナを被る9時から5時ではない、と思っていたから、テーマとなる時間帯を早朝、夕暮れ、午後11時に絞ったのはよく考えられているなと思う。それらの時間帯は、始まりの予感、自分が本当の自分に戻れる安堵に満ちている。有名作家たちが好きな時間帯を愛でるために書いた文章はもはや詩のように美しい。2025/01/17
ちゃちゃ
115
“とあるひととき”…それは一日の中で、誰かや何かの思い出と結びつく、かけがえのない時間だったりする。本作は今を時めく14人の作家たちが、朝、夕暮れ、十一時の中から選んだスペシャルな“ひととき”を楽しめるエッセイ集。私なら、どうだろう。もともと朝型人間の私は、仕事を退き、より朝が好きになった。ほとんど予定の書き込まれない手帖。ゆっくり流れる時間。煩わされるものの少ない暮らしの心地良さ。さあどんな一日にしよう。窓を開け朝陽を浴びて今日の過ごし方を考える。新しい小さな出会いに心躍る至福の“ひととき”なのだ。2023/04/21
みかん🍊
109
朝、夕暮れ、午後十一時、それぞれのひとときを14人の作家さんたちが綴るエッセイ集、しょっぱなのしをんさんにはやっぱりぷぷっと笑わさせられる、西さん知らぬ間に結婚して子どもがいたのね、夕暮れは亡き人を思い浮かべる事が多い、そして十一時は深夜だったりまだ活動期だったり人によって時間の使い方感じ方はそれぞれ、子どもや猫や犬に併せざるえない生活やコロナ禍での生活など興味深かった。2022/07/29