出版社内容情報
いざ、百?のめくるめく夢幻世界へ。日本近代文学を詩情あふれる美しい版画で味わう「文学画本」が、新装版になって待望の復刊! 『猫町』『夢十夜』も同時刊行。
内容説明
いざ、百〓のめくるめく夢幻世界へ。版画家・金井田英津子の美しい挿絵で味わう「文学画本」待望の新装復刊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
aquamarine
69
内田百閒の本は初めて読んだかもしれません。どれもが夢と現の境目にいるような、うっかり読み飛ばせば何を読んだの?と思うような不思議な、あるいは理不尽な世界。でもこの雰囲気、なぜか澄んでいてとても好きです。金井田英津子さんのたっぷりの版画がまたとても素敵で、読んでいる世界をリアルに目の前に現して、本当にどっぷり浸かれます。選べないほどどれも印象的だったけれど、あえて選ぶとしたら「件」と「冥途」かな。三上延さんの「百鬼園事件帖」をきっかけに手に取りましたが、出会えてよかった一冊でした。 2023/11/01
ケイト
61
逢魔が時に現れる不穏な雰囲気。土手の向こうとこちら側、黄泉の国との境界線だろうか?話の間に挿し込まれた版画がとても良くて、不思議な世界観を醸し出していた。特に「件」の予言を待ち侘びて回りに集まる人達。最後挿絵のインパクトに吹きだした。2023/11/04
空猫
40
『花火』『尽頭子』『烏』『件』『柳藻』『冥途』の6作品を金井田英津子サンの画と共に魅せる。内田百間の悪夢、白昼夢、のような世界にベストマッチし、より奇っ怪だった。2021/10/28
Y2K☮
31
かつてパロル舎&長崎出版から出ていたものの新装復刊らしい(長崎出版版の「夢十夜」を持っている。また読もう)。内田百閒は夏目漱石の門下だけど「夢十夜」とよく似た不気味で雲をつかむような筋は意図的なものだろうか。版画の色の変化が鮮やかで予測の斜め上を翔る。二度目は文章を見ず、挿絵だけを追いかけてストーリーを想像してみたら面白いかもしれない。未収録の話も気になる。いつかNHKが15分の全15回シリーズとかでドラマ化しそうな予感がする(まだなっていないのだろうか?)。表題作のあの一言がいつまでも頭に残って離れぬ。2023/11/22
まさ
25
金井田さんの画で楽しむ文学画本の2冊目は、内田百閒の『冥途』。こちらも何度も読んでいる作品(特に「件」!)です。版画のもつ暗さが作品の持つ闇や影、謎を引き立てている。それが金井田さんの画の力か。もちろん、百閒の魔物のような文の力も何度読んでも感嘆です。2025/09/14
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