内容説明
地元熊本で作家と日常をともにした仲間たちの声は、ジャンルをこえた多様な書き手たちの声と響き合い、一冊のうちに鮮やかな像をなす。それぞれが大切に抱きしめる作家の遺産を未来へ繋ぐための、石牟礼道子読本。
目次
1 傍にて(手に負えない大きな存在(渡辺京二)
ワガママ、気まぐれ大明神(阿南満昭)
多くの皆様に助太刀されて母は生きて参りました(石牟礼道生) ほか)
2 渚の人の面影(夢とうつつを見る人(池澤夏樹)
石牟礼道子さんの手足のゆくえ(石内都)
不思議な体験(緒方正人) ほか)
3 石牟礼道子論(くだもののお礼は、その先へ(赤坂憲雄)
詩的代理母のような人(伊藤比呂美)
狂女と狂児(臼井隆一郎) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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石牟礼さんの『苦海浄土』を読んだのは2004年12月、もう16年も前。授業でも出てくるこの本と、レイチェルカーソン『沈黙の春』と迷って『苦海浄土』を手に取った。その時しっかり理解できたのか、というとやはり難しくて。16年たった今の私には朧げな読書の記憶しか残っていない。この本は2018年に亡くなった石牟礼さんの追悼文集。追悼文集自体初めて読んだけど、愛ある文章の数々に心がじんときた。こんな風に、死後に周りの人が言葉を残してくれる人生って美しい。私も彼女のように生きたいな…。『苦海浄土』も他の作品も読もう。2020/08/09