出版社内容情報
大人気・縄文写真図鑑の改訂新版。著者が新たに撮影した縄文出土物を多数掲載、石器時代と弥生時代の紹介ページを追加した決定版。
小川 忠博[オガワ タダヒロ]
著・文・その他
小野 正文[オノ マサフミ]
監修
堤 隆[ツツミ タカシ]
監修
内容説明
650余点の写真でたどる広大な縄文文化の世界。
目次
序章 日本列島に最初にやってきた人々―縄文人の祖先たち
1 縄文人―土器を焼き、使い始めた人々
2 採り、狩り、漁る日々―土器と石器、大地を里山として
3 飾り、装う―土と石、骨と貝、草木と漆を使って
4 装飾された土器群―実用を圧倒する文様と突起
5 文様に込められたもの―人と動物のすがた
6 ひとがた―土偶、岩偶に託したもの
7 祭り・祈りの広場―石の祭具 石の広場
終章 狩猟採集から農耕へ―稲作の集落そして王権の誕生
資料
著者等紹介
小川忠博[オガワタダヒロ]
1942年、東京に生まれる。1965年、早稲田大学卒業。フリーカメラマン。週刊誌、月刊誌の取材のかたわら、各種スリットカメラなどを開発し、美術、考古分野に新しい視点を提供する。準太陽賞、準朝日広告賞を受賞のほか、2010年には文化庁長官表彰を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
373
昨今、ヨーロッパを中心に空前とも言うべき縄文ブームが巻き起こっているが、本書の写真を見れば一目瞭然。教科書には土器と土偶(亀ヶ岡遺跡の遮光器土偶)のごく一部しか紹介されていなかったが、本書はまさに百花繚乱。縄文のオンパレードである。例えば土器については、実用を遥かに超越した圧倒的なまでに過剰な装飾と、これも実用を否定したかのような独特のフォルム。しかも、縄文後期のものよりも中期あたりのものの方がずっと力強いようだ。もう惚れ惚れと見とれるばかり。土偶の類がまた素晴らしい。p175の「ひとがた」などは⇒2021/09/13
chimako
84
30年前から10年間ほど発掘の仕事に就いていた。ここら辺では「遺跡掘り」と言われ活躍するのは農閑期の農家のおばさんたち。一番若い作業員としてまずは洗い上がった土器に注記をすることを覚えた。2人目の学芸員に教わったことは多い。土器の傾きや石器の剥離など時期区分を知ることで実測の精度も上がる。個人的には底が小さくて口が大きく広がり竹管による渦巻き文の諸磯式と言われる土器が好きだが103ページにその深鉢が出ていてテンションが上がった。229ページからの解説は地元の埋文の先生。大好きです、縄文時代。2021/09/12
アキ
64
35年もの間、縄文時代の遺物を撮り続けてきた。登録されている遺跡は、全国で約46万か所。毎年8000もの発掘調査が行われている。日本列島にホモ・サピエンスが辿り着いたのが約4万年前とされている。旧石器時代は主に黒曜石で作ったヤリや3万年以上前の世界最古の落とし穴!でシカやイノシシを狩猟していた。1万6000年前土器を作り始め、約2万点もの土偶、土器の文様の変遷、ヒスイの装飾品、ピアス式の耳飾り、9000年前から使われていた漆など日本独自のもの。再来年の世界遺産登録を目指すこれらの文化財の概要がよくわかる。2019/08/25
姉勤
38
縄文時代の地層から出土した遺物のカラー写真へ解説と発掘地を載せて。考古学や博物よりは、美術にウエイトを。土器を中心に、動物や人をかたどった土偶、石偶、骨や木の加工品から翡翠や瑪瑙などの加工した装飾品など。縄文といえばやはり土器の文様やレリーフ。彩色や漆をすでに塗っていたものも出土して洗練されたデザインも含め先進的だ。これらは文化は、やはり生活の余裕。貨幣はないだろうが、余暇を楽しむほとの潤った経済があったと予想させる。不景気は有罪。2019/06/09
とある内科医
27
『土偶を読む』を経て、図書館より。 実に多彩。初めて見る土偶も多く、人間をモチーフにしたとしか思われないものも。 それはともかく、やはりかわいい。イヌの土製品が好み。2021/10/14